「とんでもないです」の意味と正しい使い方は?敬語や言い換えをご紹介

    「とんでもないです」の意味と正しい使い方を紹介。目上の方から評価されたときの返事で使うことが多い「とんでもないです」の使用例を、例文を使って説明します。「とんでもございません」の敬語は合っているのか?言い換えはあるのか?についても解説するので、目上の方とのやりとりに失敗しないためにも参考にしてみてください。

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    この記事の目次

    「とんでもないです」の意味

    「とんでもない」の意味は全部で3種類
    • 予想外の出来事が起きた
      例「課長!とんでもないことがおきました」
    • 道徳やマナーから外れている
      例「友達にとんでもないことをされた」
    • 謙遜や強い否定
      例「とんでもないです。ご指導に感謝します」
      例「とんでもない!私はやっておりません」

    「とんでもない」は「途でもない」が変化した形容詞です。「途」は“物事の道理”という意味があり、「途でもない(とんでもない)」は直訳すると“道理から外れている”という意味。

    道理やマナーから外れたことをされたときに「とんでもない!」というように使いますが、これ以外にも3種類の意味があります。

    「とんでもないです」の使い方と例文

    日常生活の中で「とんでもないです」をよく使う場面は主に以下の3つ。

    1. 褒められた時に謙遜を込めてやんわり否定する
    2. 目上の方から感謝をされたときの返事
    3. 目上の方から謝罪をされたときの返事

    ここからはそれぞれどんなシーンで使うのかを、例文とともに詳しく見ていきましょう!

    褒められた時に謙遜を込めてやんわり「とんでもないです」と否定する

    「とんでもないです」は褒められた際の返事としてよく使われます。褒められたときに「そんなことはありません」と謙遜しつつ、軽く否定する意味合いです。目上の方に対してはもちろん、同僚や部下、友達にも使うこともあります。

    相手が上司や先輩の場合は「とんでもないです」の文末に「ありがとうございます」と感謝を述べたり、「貢献できて光です」など相手を尊重したりする言い回しにすると、さらに印象がよくなるでしょう。

    使い方の例(ビジネスシーン)
    • 例「素晴らしい仕事ぶりだね」
    • 「とんでもないです。お役に立てたようで光です」
    • 例「〇〇さん、今月の実績すごいね!」
    • 「いえいえ、とんでもない。〇〇の時はサポートありがとう」

    目上の方から感謝をされた時に「とんでもないです」と返す

    目上の方に「ありがとう」と感謝されたときの返事としてもよく使います。

    「ありがとう」と言われた際、同僚や友達には「いえいえ」「どういたしまして」と答えることが多いですが、上司や目上の方には失礼にあたります。

    自分を一歩下げつつ感謝の気持ちを伝えられる「とんでもないです」を使いましょう。

    使い方の例(ビジネスシーン)
    • 例「さっきの商談は助かったよ!ありがとう」
    • 「とんでもないです。いつもご指導頂きありがとうございます」

    目上の方から謝られたときに「とんでもないです」と返す

    目上の方に「申し訳ない」と謝られたときの返事としても使用します。

    上司や先輩の謝罪に対して「謝っていただく必要はないです」という意味を込めて「とんでもないです」と伝えます。

    相手に敬意を払っていると伝えたい場合は、語尾のトーンを少し下げてみましょう。

    使い方の例(学校・ビジネスシーン)
    • 例「この間の件は本当に申し訳なかった」
    • 「とんでもないです。お気になさらないでください」

    「とんでもないです」の正しい敬語は?

    正しい敬語は「とんでもないことでございます」

    「とんでもないです」の正しい丁寧語は「とんでもないことでございます」です。

    形容詞の「とんでもない」+ 名詞の「こと」+ 丁寧語の「ございます」を組み合わせて使います。

    あまり聞き慣れない方もいるかと思いますが「とんでもないです」を、より丁寧に伝える場合は「とんでもないことでございます」を使いましょう。

    「とんでもございません」は日本語として誤り

    ビジネスシーンで「とんでもない」を敬語で伝えたいとき、「とんでもない」の言葉に丁寧語である「ございません」を付けて「とんでもございません」というのを聞くことがあります。実は、「とんでもございません」は日本語としては正しくありません。

    理由は、「とんでもない」は「とんでも」+「ない」ではなく、「とんでもない」で1つの言葉だからです。「ない」の部分は本来無くすことはできません。

    しかし、相手の称賛や褒め言葉を、謙遜して軽く否定する場合は「とんでもございません」と使用することが、文化庁の指針により認められています(※)。

    「とんでもございません」は世間で広く使われるようになり、文化庁に許容された言葉なので、時と場合によって使い分けましょう。

    ※“平成19年2月2日審議会発表”参照

    「とんでもないです」の言い換えは?

    より謙虚な印象を与える「滅相もないです」

    類語である「滅相もないです」は「とんでもない」とほとんど同じ意味ですが、より謙虚で古風な印象を与えられる言葉です。

    「とんでもない」と同じく謙遜するときや、物事を否定するときに使います。古くから使われている言葉なので、特に年配の方や取引先と対話する際はこちらを使いましょう。

    使い方の例(ビジネスシーン)
    • 例「今期も業績好調で素晴らしいですね」
    • 「滅相もないです。ここからが勝負です」
    • 例「まさか、嘘を付いてたりしないよね?」
    • 「滅相もないです!昨日は〇〇をしておりました」

    「とんでもないです」の英語表現は?

    実は、英語では褒められたときに謙遜する「とんでもないです」のような表現はありません。

    しかし、「とんでもない」の代わりに使える英語が複数あるので紹介します。どれも細かなニュアンスの違いはありますが、どの表現を使っても相手に通じるので、ぜひ参考にしてみてください。

    • 褒められたとき
    • I’m glad. 嬉しいです
    • Thank you. ありがとう
    • I’m still learning. まだまだ勉強中です

    • 感謝されたとき
    • Don’t mention it. お礼を言うほどではないよ
    • Not at all. お礼を言うほどではないよ

    • 謝られたとき
    • No problem. 大丈夫だよ
    • No worries. 気にしないで
    • That's okay. いいよ

    「とんでもないです」はシーンによって使い分けよう

    「とんでもない」の意味は“物事の道理から外れている”です。ビジネスシーンや学校などでよく使う場面は「謙遜を込めてやんわり否定するとき」「感謝をされた時の返事」「謝罪をされた時の返事」の3パターン。

    敬語で伝えたい場合「とんでもないことでございます」または「とんでもございません」と伝えましょう。
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