「ゆるぐおもしえぐ生きる人」酒田市の阿部彩人さん

    山形県酒田市で地域おこしに情熱を注ぐ阿部彩人さんは、自分らしい「ゆるぐおもしえぐ生き方」をモットーに地域社会に尽力。地域の祭りやイベント企画、特産品開発にも携わり、酒田市の多面的な魅力を内外に伝えています。慶應の学生団体SKIPチームで、阿部さんの都会での経験、地方創生に貢献する可能性、考えや生き方のヒントについてインタビューと執筆をさせていただきました。

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    提供:一般財団法人 酒田DMO
    この記事の目次

    自分をひとことで表すなら

    SKIP
    まず阿部彩人さんに、自分の生き方について、そしてかつて移り住んだ都会である東京との違いについて語ってもらいました。

    「自分を一言で表すなら、どういいますか?」そう尋ねると、阿部さんはゆっくりとした口調で答えます。

    阿部さん:「『ゆるぐおもしえぐ生きる人』ですね。あまり無理をしたり、頑張り過ぎたりしたくないんです。でも、それでいて面白く、自分なりに活動してみたいとも思っています。」

    阿部さんの言葉からは、彼が大切にしているバランスが感じられます。自分らしさを追求しながらも、無理なく生きることの大切さ。それは多くの人が求めているものかもしれませんが、実際にそれを実践している人は少ないのではないでしょうか。

    東京で働いていた時と比べて、今の生活にどんな違いを感じますか?」という質問に対しては、阿部さんはより具体的な違いを挙げてくれました。

    阿部さん:「東京での生活と比べて、今はゆとりがあって楽しいですね。例えば、メール処理の量ですが、東京時代と比べると今は1/100くらいですから、その差は本当に大きいです。」

    普段取り組まれている仕事

    一般財団法人 酒田DMO
    阿部さんの現在の仕事についても触れてみました。「集落支援員と地域おこし協力隊のお仕事について、教えていただけますか?」

    阿部さん:「これらの仕事はどちらも3年の任期で、地域の人々と一緒に地域を盛り上げるための活動をしています。自分ができることで、少しでも地域に貢献できればと思っています。普段からさまざまな役割を担っており、それぞれが地域の活性化につながっています。」

    阿部さんの地域に対する情熱は、彼の多岐にわたる活動からも明らかです。地域の魅力を再発見し、それを広く伝えるための具体的な取り組みを、彼は日々推進しています。集落支援員としての仕事は、地域のニーズに応え、地域の人々が主体となって活動を展開できるようサポートすることにあるといいます。

    阿部さん:「大沢地区での地域づくりや地域おこしに深く関わっています。ここでは、元々大沢小学校が八幡小学校と合併したことから始まった地域づくりの拠点として、コミュニティセンターを中心に活動を展開しています。」

    活動と取り組みについて

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    阿部さんの活動は、地域に必要なものを提供し、地域の魅力を内外に伝えることにも焦点を当てています。

    阿部さん:「地域の祭りやイベントの企画、小学生と共に面白い活動を行うなど、地域のコミュニティを活性化させる取り組みに力を入れています。」

    また、『合同会社COCOSATO』の代表として、地域経済の活性化にも貢献しています。

    阿部さん:「COCOSATOでは、地域の特産品の開発や自然体験活動の提供、キッチンカーの運営などを通じて、観光客に向けたサービスを展開しています。これらの活動を通じて、地域に新たな価値を創出し、外からの資金を呼び込む仕組みづくりを目指しています。」

    阿部さんの取り組みは、地域の文化や伝統を守りつつ、新たな価値を生み出すことにあります。

    阿部さん:「酒田のPR動画制作や芋煮をテーマにした楽曲制作など、地域の文化を現代的な方法で伝える活動も行っています。これらの取り組みは、地域の魅力をより多くの人に知ってもらうための重要なステップです。」

    集落支援員として地域の基盤づくりに関わり、そのあとは合同会社COCOSATOを通じて地域経済の活性化を図る阿部さんの活動は、地域おこしの新たな可能性を示しています。

    こだわり

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    阿部さんの話は、彼の"こだわり"に及んだとき、さらに深くなります。何に価値を置き、何を大切にしているのか、その核心に迫ってみました。「こだわりについて、教えていただけますか?」この問いに、阿部さんは熱心に語り始めます。

    阿部さん:「自分がワクワクすること、それが1番のこだわりですね。自分が楽しめないことで、どうして他の人をワクワクさせることができるでしょうか?だから、一緒に何かをする時には、真面目になりすぎず、楽しむことを最優先にしています。義務感だけで物事を進めるのはつまらないですから、面白そうだと感じてもらえるようにすることが大事だと考えています。」

    この理念を具現化した例として、あるプロジェクトを紹介してくれました。

    阿部さん:「例えば、小学6年生の子どもたちが企画した雪まつりがあります。これはまさに、子どもから大人まで、みんながワクワクするような企画でした。」

    このような取り組みは、阿部さんにとって単なるイベントではありませんでした。彼は、人口減少という日本が直面する大きな課題にも目を向けています。

    阿部さん:「人口が減少すればするほど、一人ひとりの存在がより大きな意味を持ちます。子どもから大人まで、全員がワクワクすることが重要になるんです。少子高齢化と人口減少の問題に、日本は早くから取り組むことができます。これをチャンスと捉え、世界で最も新しいことを実現できる場所だと思っています。」

    なぜ地元の地方創生をしようと思ったのか

    一般財団法人 酒田DMO
    阿部さんの地方創生に対する情熱は、彼の生い立ちも関係しています。山形県酒田市、漆曽根(うるしぞね)の平野部に生まれ育ち、若い頃は早く大都市の生活を経験したいと望んでいました。高校時代は、ミュージシャンになる夢を追いかけ、そのためには東京への道が良いと考えていました。

    阿部さん:「東京に行くことが、自分の夢を実現する上で必要不可欠だと思っていました。家族からは国公立大学への進学を望まれていたので、東京周辺の大学を受験しました。実際に東京に出て、大学生活を送る中で、庄内地方の文化や言葉の温かさ、地元の食材の豊かさに改めて気づくことができました。」

    東京での生活とキャリアを経て、阿部さんは酒田市の地方創生に関心を持つようになったそうです。

    阿部さん:「東京でサラリーマンとして働いている間も、酒田の地域の魅力を外に伝えたいという思いが強くなっていきました。帰省時に酒田駅前が長い間空き地のままだったのを見て、地元のために何かできないかと考えるようになりました。」

    その後、阿部さんは地元の魅力を東京で広めるためのイベントを企画します。

    阿部さん:「『もっけだフェスティバル』というイベントを開催し、庄内の文化や食を東京で紹介しました。このイベントを通じて、地元の方言や文化が失われつつある現状にも目を向けるようになりました。」

    このような活動を経て、阿部さんは自分のルーツと向き合うとともに、地方創生への強い思いを持つようになります。

    阿部さん:「30代半ばでUターンする決断をしました。東京オリンピックの開催をきっかけに、地元で新しいことに挑戦するタイミングだと感じました。そして、地域おこし協力隊の募集に応募し、酒田市へ戻ることを決めたのです。」

    子どもたちに地元の魅力を知ってもらうきっかけは?

    一般財団法人 酒田DMO
    阿部さん:「小さい子たちに地元の魅力を知ってもらうのはなかなか難しいです。しかし、彼らが自分たちの住む場所がいかに恵まれているかを認識することは非常に大切です。」

    阿部さんは、地元の子どもたちがその地域の魅力に気づくことの重要性を強調しました。子どもが自分たちが住む環境の価値を理解することは、地域の未来にとって欠かせないことです。阿部さんは、この問題に対処するための具体的な方法を見つけ出しました。

    阿部さん:「私たち大人が、子どもたちに地域の魅力を1つずつ教えていくことが重要だと思います。子どもたちが自然の中で遊び、その楽しさを実感できるような機会を提供することが、私たちにできる最善の方法です。」

    その1つが、じゅんさい採りの体験活動です。

    阿部さん:「私たちは、じゅんさいの沼で実際にじゅんさいを採る体験を提供しています。この活動は今では『じゃらん』などの旅行情報サイトにも掲載され、観光客にも人気です。しかし、何よりも大切なのは、この体験を通じて地元の子どもたちが自然と触れ合い、自分たちの住む場所の素晴らしさを再発見することです。」

    このような活動を通じて、阿部さんは地元の子どもたちに自然の豊かさや地域の文化を体験させることで、彼らが自分たちの住む地域を大切に思う心を育んでいます。

    阿部さん:「1人の大人が手を差し伸べることで、子どもたちの地元への見方が大きく変わるかもしれません。それが、地域を愛し、その未来を考える大人たちを増やす1歩になると信じています。」

    酒田市の魅力

    一般財団法人 酒田DMO
    最後に阿部さんに酒田市の魅力についてお聞きしました。

    阿部さん:「多くの移住者や私自身が感じる酒田市の大きな魅力の1つは、車で約4〜5分で温泉に行けることです。海も山も身近にあり、東京のような大都市では考えられないほど手軽に自然を満喫できます。」

    阿部さんは、地域の景色の変化を楽しむことの大切さも強調します。

    阿部さん:「ここでは、1分1秒ごとに景色が変わるのを感じることができます。天気、日差し、季節の変化が生み出す諸行無常の景色を毎日楽しむことができるのは、本当に素晴らしいことです。東京では、このような自然の変化を楽しむことは難しいでしょう。」

    生活の中で自然を身近に感じられることの豊かさは、酒田市が持つ大きな魅力の1つです。

    阿部さん:「酒田市での生活を通じて、私は本当の豊かさとは何かを再発見しました。美しい景色の中で生活し、季節ごとの旬のおいしいものを楽しむことができるのです。今の季節は寒だら汁やふきのとうなど、地元ならではの山菜が楽しめます。」

    地域の密接な距離感も酒田市の特徴の1つ。

    阿部さん:「ここでは、人との距離感がとても近いです。それが地域社会の温かさにつながっています。」

    阿部さんの言葉からは、地域に根ざした生活の豊かさや、自然と共生する生活の魅力が伝わってきます。

    最後に

    一般財団法人 酒田DMO
    阿部さんの物語は、個人の成長と地域への貢献が見事に結びついた例です。都会での経験を生かし、地元の魅力を再発見し、地方創生に貢献する姿勢は、多くの人にとって大きなインスピレーションとなるでしょう。また、ゆとりを持ちながらも、自分にできることで地域社会に貢献しようとする阿部さんの生き方は、多くの人にとって新たな生き方のヒントになるかもしれません。

    COCOSATO
    庄内平野・出羽三山・鳥海山
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    住所
    山形県酒田市大蕨字二タ子213

    人の心と、 里山をつなぐ。

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    公式サイト

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    学生団体SKIPとは?

    SKIP
    SKIP(Silicon Valley Keio International Program)は、1956年(※)に設立された慶應生とスタンフォード生の国際交流団体です。毎年9月に約15名のスタンフォード生を日本に招き、企業訪問やショートトリップをイチから企画して交流しています。

    2023年9月の交流で、神奈川県葉山町を訪問した際の学びから、場所や物といった従来の観光資源に加えて、日本人の「人」としての魅力に着目し、人に会いに行く観光サービス「ひとログ」を提案し、活動しています。

    “SKIP Instagram公式情報”参照

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    ※掲載されている情報は、2024年03月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。

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