初夏の京都を巡ろう。五感で”私”を癒やす1泊2日のリトリート・トリップ

自分を癒やし、英気を養うとして話題の”リトリート・トリップ”。みなさんはどこかへ訪れたことがありますか?今回アウモがご提案するのは、人里離れたリゾートではなく、「大人になってからが面白い」と噂の京都。千年の都で出逢ったのは、SNSを賑わせたデザイナーズホテルから鎌倉時代創建の寺院まで、新旧一体となった魅力でした。

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提供:THE SCREEN
この記事の目次

いざ、初夏の京都を巡る1泊2日のショートトリップへ

aumo編集部
7月も間近に迫った火曜日の朝、京都駅に降り立ちました。
今回の旅取材の趣旨は、「五感で癒やすリトリート・トリップ」
激動の時を迎えた現在、皆が必要としているのは小休止やリトリート(静養)なのではないか。
人里離れたリゾートに注目が集まる一方で、千年の歴史を見守ってきた都の懐に深く抱かれるのもまた、ひとつのリトリートなのではないか――。
そのような意図から、浮き彫りになったのがこのテーマです。

本記事では五感を満たす様々なスポットを紹介していきますが、その足場となるのは、京都の中で”最も格式高い”と伝えられる御所南に位置するデザイナーズホテル『THE SCREEN』
感度の高いユーザーの間では既に名の知られたホテルの中でも、今回はSNSでのブレイクのきっかけとなった月の満ち欠けが愉しめる103号室ではなく、さらに広いエグゼクティブスイートの202号室を宿泊体験させてもらうことに。
その内容は後述するとして、まずは非日常への一歩を踏み出しましょう。
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【京都】THE SCREENで特別な日をお祝い!話題のおしゃれホテルの魅力に迫る
更新日:2022年2月11日

【香りで安らぐ】京の香を学ぶ小さな博物館『薫習館』

aumo編集部
最初に訪れたのは、約300年の歴史を持つ香屋老舗『松栄堂』が開設した小さな博物館『薫習館(くんじゅうかん)』

常設となる「香りのさんぽ」では、京文化を代表する”お香”がどのように創られているのか、原材料から職人の製造過程までをつぶさに見学することができます。
aumo編集部
中央に配置された「かおりBOX」は、頭を入れることで『松栄堂』の香りをダイレクトに愉しめるユーモラスな装置。
フォトスタンドもあるので、こんな風にちょっとシュールな写真を撮影することもできちゃいます。

BOXの中を満たすのは、スパイシーな香り、甘みのある香り、清涼感のある香り*。
三者三様で面白い!
※展示時期によって、香りが変わる可能性がございます。
aumo編集部
▲お香の原料が生み出される東南アジアの熱帯多雨林をモチーフにしているそう
スペース奥には、お香の原料を嗅ぐことのできる円柱型装置がずらり
香りの原料であり「ムスク」の名でも知られる麝香(じゃこう/ジャコウジカの雄の腹部にある香嚢より採取される分泌物)や乳香(ニュウコウジュの樹木から採取される樹脂)など、貴重な現物を眺めながらその香りを確かめることができます。
初めて嗅ぐ麝香の香りは、まさに「強烈」の一言。この原料からお香を創り出した先人を、尊敬せずにはいられません。
aumo編集部
▲「丁子(ちょうじ)」の香りと言われてもピンと来ないけれど、”辛い香り”と言われれば想像がつきやすい。嗅覚と味覚が連動している証だ
さらには、お香の製造過程を再現したミニチュア展示や、原料の香りの”重なり”を感じられる4種の香りのボトルも。

香りの世界を立体的に探索できる仕組みに、我を忘れ、つい夢中に。
aumo編集部
企画展やワークショップが開催される「松吟(しょうぎん)ロビー」ではこの日、来訪者参加型の香りアンケートを実施していました。

二つの空間で漂う、ミントとシトラスのお香。
その涼やかな香りが、湿気に汗ばむ身体をクールダウンしてくれるよう。
aumo編集部
香りの世界を堪能したあとは、隣接する『松栄堂 京都本店』でお土産選びを。
30種類以上の巾着と、3種類の香りからそれぞれ好きなものを選べば、お手軽な”自分だけの匂い袋”の完成。全て税込1,000円以内でオーダーできるので、友人や家族へのお土産にも最適です。

古都の雅な香りに包まれ、どこかささくれ立った心が凪いでいくのでした。

【手触りから没入する】和紙に戯れる『あかりデザイン工房』

aumo編集部
続いて向かったのは、和紙照明の手作り体験ができる『あかりデザイン工房』
京町家の一角で、自らも和紙照明デザインを手掛ける田畑教次氏が出迎えてくれました。

案内されるまま急な階段を上ると、そこには創作スペースとなるひっそりとした和室が。
aumo編集部
今回体験したのは、一番人気を誇る「和紙キャンドルランプコース」
ガラス製のキャンドルホルダーに和紙をデザインしながら糊付けしていく、約40分のコースです。

色とりどりの極薄和紙を前に思わずテンションも上がってしまいますが、田畑先生曰く、「うまくいくコツは方向性を決めること」なのだそう。
筆者はピンクとパープルに染まる”トワイライト”をイメージとして作成することに。
aumo編集部
和紙はさらさらとしていて柔らかく、最初こそ扱いに戸惑ったものの、ちぎるのが楽しく感じられるように。

考えてみれば、日頃触れているのはPCのキーボードやスマホの液晶画面などの硬いものばかり。
普段とは違う手触りに、眠っていた幼心が蘇ってくるのを感じます。

夢中になって手作業を進めるうち、デザインが完成!
仕上げに筆で糊を全体に乗せ、ドライヤーで乾かしたら、”私だけのキャンドルホルダー”の誕生です。
aumo編集部
最後には実際に火を灯して出来上がりを確かめる”点灯式”も。
制作時点では失敗したように思えた箇所が、火を灯すとかえって魅力的な個性になることも発見。

和紙で作る照明はたったひとつだけのオリジナル。プラスチックとはまた違う、和紙を通した柔らかい光の魅力を知ってもらえると」と田畑先生。

日本伝統の素材に触れながら、自分だけの旅の想い出を作る時間=プライスレスとなりました。

デザイナーズホテル『THE SCREEN』で滞在時間をラグジュアリーに

aumo編集部
時刻は15時半。
いよいよ、今回の旅の拠点となるホテル『THE SCREEN』へと到着しました。
京都御所の目と鼻の先に在する立地は、周辺環境も閑静でどこかクラシックです。
高鳴る胸をおさえつつ、さっそく中へと入ることに。
aumo編集部
▲シックなウォールアートを背景にしたフロントからは、デザイン性の高さが窺える
aumo編集部
入った瞬間、身体の火照りがすぅっと引いていく心地よい空調
外からの印象とは裏腹に、天井の高いロビー
ショーケースに陳列された、アーティスティックなグッズ

一瞬、目抜き通りの高級ブティックに迷い込んでしまったかのような錯覚に陥ります。
到着した安堵感だけではなく、背筋の伸びる緊張感が味わえるのも、デザイナーズホテルならでは。
aumo編集部
同ホテルの特徴は、13人のクリエイターがデザインした13通りの客室
<デザイナーズルーム3室・スイートルーム3室・セミスイートルーム4室・エグゼクティブスイートルーム3室>で構成されており、京都らしい雅な和モダンの客室からミッドセンチュリー風のカラフルな客室まで、そのデザインバリエーションは実に多彩。

なかでも、月の満ち欠けをキーデザインにした103号室は、2020年に「JIDアワード*」を受賞し、SNS上でも”インスタ映えホテル”として紹介されるほどの人気ぶりです。

廊下に至るまでほら、感性を刺激する美しさ。

※公益社団法人日本インテリアデザイナー協会によるインテリアデザインコンテスト
aumo編集部
今回はもっとも広い客室タイプ・エグゼクティブスイートの202号室に宿泊させてもらいました。
ルームプレートに印字されるのは、デザイナーであるHideyuki Nakayama(日本語表記:中山英之)の名前。
中山氏は”建築家の登竜門”とも呼ばれる「吉岡賞」を過去に受賞しているのだとか。

ロックを外しドアノブへと手をかければ、否が応にも、期待に胸が膨らんでいきます。
aumo編集部
中へ入り、思わず驚嘆!
72㎡となる客室は、キャッチボールできそうなほど広々!
向かって左の小上がりがベッドスペース、右がリビングスペース、右奥にバスルームという作りになっています。

スポットライトがドラマチックに陰影をつくる中、浮かび上がるのは一本松や灯篭、山々に五重塔などの京都らしいシルエット。
なんだかまるで、黒澤明監督の映画へ迷い込んでしまったかのような雰囲気じゃないですか?

”京に暮らす”感覚に包まれるリビングスペース

aumo編集部
こちらは、リラクシングなソファが中心に置かれたリビングスペース
ホワイトとグレーの濃淡が織りなす空間は、静謐でいて非日常的。

テレビではウェルカムムービーともいうべき舞妓さんのVTRが流れ、京都らしさも◎です。
ちなみに、現代人に欠かせない(?)NetflixやYoutubeだってもちろん完備
aumo編集部
特筆すべきはデスクスペースの美しさ。
ブラインドに浮かぶ稜線と、満月を模したような照明――。
思いがけない月見風景を前に、思わずため息が漏れてしまいます。記念に写真をパチリ。

ちなみにこのシルエットたちは、実際の風景ではなく、架空のイメージなのだそう。

客室のキャッチフレーズは、そう、”nowhere garden どこにもない庭”
なるほど、深いなあ。世界観を理解したところで、ルームツアーを再開しましょう。

ドリンク周りは、基本を押さえたラインアップ

aumo編集部
▲冷蔵庫脇のキャビネット上段にはティーパック、コーヒーカプセル、ティーカップ、グラス、南部鉄瓶などのご用意が
aumo編集部
▲下段の引き出しにはポット、ネスプレッソマシンも
aumo編集部
冷蔵庫の中はすべてフリードリンクという太っ腹
aumo編集部
▲ホテルファンならチェックせずにはいられないオリジナルウォーター(2本分無料)。『THE SCREEN』のロゴが入ったボトルはシックなインテリアとも調和
ドリンク周りはお茶やコーヒーに加え、炭酸飲料、ビールがひと揃い
種類が多いわけではないけれど、基本を押さえたラインアップが安心ですね。
これならゆっくり滞在時間を過ごすことができそう。

ベッドスペースは、一本松に抱かれるドラマチック空間

aumo編集部
お次はベッドスペースをチェック。
220cm×203cmの大きさを誇るハリウッドツインサイズダブルベッドはもちろん、天井まで枝ぶりを伸ばす一本松は圧巻モノ!
モノトーンの中に躍動するダイナミズムにも、黒澤映画的な情緒を感じます。
aumo編集部
ベッドスペースからリビングスペースを振り返るとこんな感じ。
L字型の客室は開放感とプライベート感のバランスがちょうどよく、居住性も◎。
カップルや友達同士で滞在しても、比較的ストレスフリーで棲み分けることができそうです。

旅の疲れを癒やすウェルカムドリンク&フードサービスも

aumo編集部
ルームツアーの途中で、ウェルカムドリンク&フードの嬉しいサービスがやってきました。
速やかで洗練されたスタッフの物腰にも、上質ホテルの所以を感じます。
aumo編集部
蓋を開けてみると、この日のお重に入っていた料理は、下記の通り。

・プチトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ風串
・マリネ
・二種類のカヌレ
・ショコラテリーヌ


ヘルシーでフレッシュな野菜のひと口料理と、可愛らしいひと口スイーツを前にテンションが上がります。

特にパプリカ、筍、オリーブ、カリフラワーなどが入ったマリネは酸味が効いていて、疲れた体に染みわたる!板チョコを乗せたショコラテリーヌももったり濃厚な甘味で大満足。
aumo編集部
お腹も満たされたことだし、夜の散策まではゆっくりお茶を愉しむことにしました。
南部鉄器で淹れたのは、御所南の老舗日本茶専門店『一保堂(いっぽどう)』さんのほうじ茶。

客室に何気なく設えられているティーパックすらこのクオリティって、ちょっとびっくりしませんか?
これも京文化が連綿と受け継がれてきたエリアだからこそ、なのでしょうか。

都の真ん中、音の止んだ部屋から中庭を見下ろしながら、お茶をひとすすり。
上質な静寂こそ、ひとり旅の醍醐味です。

ブローバスで過ごす贅沢バスタイム

aumo編集部
続いては、バスルームをご紹介。
こちらのホテルはもともとインバウンドをメインターゲットとして開業した経緯があるためか、バスルームはめったに類を見ないほど大きめな作りとなっていました。
シャワースペース、バスタブ、洗面台と全てセパレートなのが贅沢です。
aumo編集部
▲反対側にはトイレスペースが
バスタオル、フェイスタオル、ウォッシュタオルのタオル類に加えてバスローブのご用意も。
手触りが肉厚でふっかふかなのは、言うまでもありません。
aumo編集部
洗面台脇にはアメニティを収納した二段組の重箱が。
歯ブラシやコットン、綿棒、ブラシなどを始めとして、ヘアゴムやヘアクリップなどのご用意もあるのが嬉しいポイント。
aumo編集部
<シャンプー・コンディショナー・ボディソープ・ボディローション>は、世界の高級ホテルやスパでも取り扱われる、英国発のアロマ製品ブランド「AROMATHERAPY ASSOCIATES(アロマセラピー アソシエイツ)」製
キャップを開けると、緊張を和らげるアロマの香りがふわりと漂います。

冒頭でも紹介したとおり、この旅のテーマは「リトリート」。
普段なら余った分のアメニティは次の出張の足しに持ち帰ってしまうところですが、この日は倹約を忘れ、丸々1本分のボディソープを使って泡風呂とブローバスを愉しみました

”自分を喜ばせること”って、まだまだ罪悪感や抵抗を感じる方も多いと思います(筆者ももれなくその一人)。
けれど実は、自分の機嫌を良くしておくことこそ、周囲との関係性を良好に保つ秘訣だったりもするんですよね。気兼ねなく本来の自分に戻れる旅先は、心地よいことを積極的に取り入れるチャンスかも。
aumo編集部
汗が引いたら肌ざわりの良いパジャマに着替えて、ゆっくりと夜を過ごします
気になっていた映画を観たり、読みかけの本を開いたり、のんびりだらだらしてみたり。

今夜は一本松に抱かれて、どんな夢を見ようかな。

朝はお部屋で和朝食 or アメリカンブレックファストを

aumo編集部
スッキリと目が覚めた旅先の朝の楽しみと言えば…そう、やっぱり朝食!

こちらのホテルではチェックイン時、和朝食とアメリカンブレックファスト(ともに部屋食)の二種から選択する形式となっています。お豆腐を中心とした京風の和朝食にも心惹かれつつ、パン派の筆者はアメリカンブレックファストをチョイス
部屋に届いた瞬間の嬉しさといったら、もう。
aumo編集部
大理石風のマーブル天板に豪勢な料理が映える、映える。
真上から撮影すれば、「#ホテル朝食」な一枚の出来上がり。
aumo編集部
▲目も覚めるこの色彩にご注目
aumo編集部
それでは、クラムチャウダーから頂きます!
写真の通り、ワンスクープでも驚くほど具だくさん。
魚介出汁の効いたミルキーな味わいと、後引く塩気がたまりません。
aumo編集部
お次はオムレツをひと口。
牛乳がたっぷり入っているのでしょうか、卵がほどけていく新感覚にびっくり!
ふわふわな舌触りとミルキーな後味に、夢中で食べ進めてしまいました。

肉厚でパリっとした食感のソーセージも、クリスピーで素朴な味わいのベーコンも、マンゴーソースとグラノーラがトッピングされたヘルシーなヨーグルトも……お互いの味を引き立てあうほどにそれぞれの個性が光ります。
aumo編集部
こちらはデザートプレートかと思いきや、正体はフルーツの盛り合わせでした。
りんごを始めとして、キウイ、グレープフルーツ、ドラゴンフルーツ、パイナップル、苺…etc.
仕上げには、ホワイトチョコレートで愛らしい雪化粧。

ピュアでフレッシュな甘酸っぱさに胸が満たされます。

モノトーンのお部屋でカラフルなアメリカンブレックファストを頂くのも、これまた乙なモノ、ですね。
aumo編集部
朝食が終わったら、あっという間に出発時刻。
フロントへ出てみると、受付の方から「お寛ぎになれましたか?」とたおやかにお声がけいただきました。

なんだろう。考えてみれば、寛ぎすぎるほど寛いでしまった気がする。
斬新なデザイン空間の中で、よもやこれだけの心癒される体験ができるとは。

古都の歴史が培うソフトなおもてなしと、若きクリエイターの才が光るエッジィなアート。
その両面を体感できるのが、『THE SCREEN』の魅力と表現することができそうです。

古いだけでもなく新しいだけでもない、新たな京都の形がここにありました。

【目で、音で潤う】一面青紅葉の幻想世界『建仁寺』

aumo編集部
二日目にやってきたのは、祇園に在する京都最古の禅寺『建仁寺(けんにんじ)』
このお寺の歴史は、1202年に将軍源頼家が寺域を寄進し、栄西(えんさい)禅師が宋国百丈山*を模して建立したことから始まりました。

花見小路通りの賑わいを抜け、建仁寺の敷地に足を踏み入れると、辺りは一変。
虫の声すら響き渡る静けさに身を包まれます。

※中国、江西省南昌(なんしょう)府奉新県にある山
aumo編集部
まず最初に出逢ったお庭はこちらの「潮音庭(ちょうおんてい)」

日本庭園は通常、人々の目に触れる面を表として形作られていますが、こちらのお庭は360度から鑑賞が可能。どこから見ても美しい造形にするため、庭の中心の三尊石を中心に正面を作り続けた結果、石がぐるりと渦を巻いた形になったのだそう。

楓の木々の生える向きすら、渦巻を形作る一要素となっているんです。
aumo編集部
ところで緑豊かな庭において、”潮の音”とはいったいどういうことなのか、気になりますよね。
実はこの名の由来には深い秘密が。

潮の音はつまり、”仏の声”なのだそう。
仏の声とは、取りも直さず”自分の心”。

本来さまざまな課題や困難は、自分の心が解決へと導いてくれるはずなのですが、そこはあいにく欲だらけの人間。欲望にまみれるうち、心を汚していってしまいます。

心を洗浄する方法は、きれいなものを見ること。
美しい、可愛いという気持ちが慈悲の心(仏心)を生み、本来の自分へと戻してくれるのだそうです。
この庭をぐるぐる回って、一番美しいと思えるところで立ち止まってください。その庭に感動を受けたとき、初めて仏心が生まれその庭が完成するのです」とは、建仁寺・浅野俊道氏の言葉。

本記事のコンセプト”五感で旅する京都”の「音」編は、すなわち心の声。
向き合うほどに、内なる自分の声が静寂に響いてくる、そんなお庭でした。
aumo編集部
続いてやってきたのは、宇宙の根源的要素が示された「○△□乃庭(まるさんかくしかくのにわ)」

江戸時代の禅僧・仙厓義梵(せんがいぎぼん)が「この世のすべては○△□で表せる」と表現したとおり、禅宗では、地水火風空が万物を形作っていると考えられているのだそう。

地は四角(奥の井戸)として、水は丸(中央の波紋)として、火は三角(手前の白砂)として。
風と空は”目に見えない全て”なので、ここに宇宙の五元素が集約しているということ(!)。
aumo編集部
▲ベンチに腰掛けて眺めていたら、お茶販売の方に試飲の二杯(左:マルベリー抹茶ティー、右:桑香前茶)を頂きました
筆者のような凡人が「この庭は宇宙を表しているんだ!」と直感的に悟ることができるようになるまでに、いったいどれほどの年月が必要なのでしょうか。

教えてくれる方がいることは、とってもありがたいものです。

時間が経ち、今よりも成長したころに、この庭はどんな風に見えるのか。
後年の京都旅行の愉しみが、ひとつできました。
aumo編集部
最後にやってきたのは、「大雄苑(だいおうえん)」と呼ばれる枯山水庭園
正面から数えて石が7つ、5つ、3つと連なる石組みは、七五三(陽数)と呼ばれるゲン担ぎなのだそう。

枯山水を読み解くコツはひとつ、一番背の高い石(主石)を探すことです。そこから庭の流れが始まっているんです」と、浅野氏。

例えば主石に雨が降り注いだら――。
それは幾筋もの流れになり、やがては海になる。
そんな風に想像を膨らませることで、枯山水の流れを理解することができるのですね。
aumo編集部
雨粒が表すのは、自分の心から生まれる小さな一歩。
そんな一歩が積み重なった先にあるのは、人とのご縁やもっと広い世界との出会い。

”いったい私はいま、この枯山水のどのあたりにいるのだろうか”。
縁側に座って眺めるだけで、己との対話が生まれる庭の仕組みに、改めて驚かされます。

比較的空いている平日の午後でしたが、訪れる人々は皆静かに心地よさそうに、庭を眺めている姿が印象的でした。

【舌で愉しむ】ほどけてゆく繊細な泡氷『お茶と酒 たすき』

aumo編集部
旅の最後を締めくくるのは、祇園新橋に構えるかき氷専門店『お茶と酒 たすき』
この辺りは「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定された、京都らしさの残る花街エリアです。

白川沿いの町家の一角にはためく「氷」の文字が、なんとも夏の旅情を誘いますよね。
aumo編集部
橋のたもとでは、今年最後となるであろう遅咲きのアジサイが強い陽ざしのもと、京町家を艶やかに彩っていました。
aumo編集部
白川がせせらぐ橋の上で辺りを見渡すと、風情ある京町家がずらりと並び、まるでここだけ百年前にタイムスリップしてしまったかのよう。
そよそよと心地の良い風に足が止まってしまい、なかなかお店に辿り着きません。これは困った*。
※『お茶とたすき』は整理券配布・2~3時間待機が発生することもある人気店です。
aumo編集部
写真を撮り終え入店すると、店内は現在ちょうどお客が間引いたところ。
大きめのお部屋に案内していただくことができました。ラッキー!

茶室のような作りの部屋にはアンティーク雑貨がディスプレイされ、クラシカルな雰囲気。
窓からは緑豊かな庭を望むことができます。
白川に面した窓際席が人気のようですが、静かな空間でプライベートタイムを過ごせるこちらの雰囲気も素敵です。
aumo編集部
▲『お茶とたすき』のメニュー。かき氷は定番に加えて月替わりも用意
筆者は『今月のおすすめみつ』から「ティラミスダークチェリー*」¥1,760(税込)をオーダーしました。

待つこと10分。
「お待たせしました~」とお盆に載せられ運ばれてきたのは……
aumo編集部
超ビッグサイズのかき氷……!
写真で伝わらないのが残念ですが、間近で見た感想としてはスタンダードなかき氷の約3倍ほどありそうです。

バーガンディのガラス皿も大人っぽくてシック。
ちなみにお皿の種類はかき氷によって変わるのだそう。
aumo編集部
▲撮影している傍から溶けてしまうので、シャッターチャンスにはお早めに
ひと匙すくって、これまたびっくり!
浅めのワンスクープでは氷に辿り着かないくらい、リッチで重厚なクリームで覆われているんです。
筆者が小さい頃に食べていたかき氷は、氷9:シロップ1くらいの印象だったのに…。

口に運ぶと、ティラミスクリームの甘くてほろ苦い舌触りが、舌の上でほわぁっと溶けていきました。
食べ進めるごとに氷の分量が多くなっていきますが、氷事体もほのかに甘いので、”シロップなくて苦痛”みたいな感覚も一切ありません。たまに現れるダークチェリーも酸味のアクセントに。
こんな贅沢気分のかき氷は初めて。

ちなみに、この店一番の人気メニューは冬季の「ベリーベリーホワイト」
生クリームでコーティングされたかき氷の中に、4種のベリーとパイが入っているXmasケーキのような逸品で、このかき氷目当てにわざわざ来店するお客も多いのだそう。

目で驚き舌で愉しむことのできる『お茶と酒 たすき』のかき氷は、どの季節でも一食の価値アリ!
※『ティラミスダークチェリー』は期間限定メニューとなります。最新のメニューにつきましては、公式HPよりご確認ください。

五感をフルオープンに。英気を満タンに。今こそ旅したい、古くて新しい京都

aumo編集部
五感をフルオープンにして歩んだ二日間。
もう何度も訪れているはずなのに、今回の京都は、古くて新しい、まったく知らない場所でした

きっと”五感で感じる”と決めたときから、この旅は始まっていたのかもしれません。
aumo編集部
あるいは、滞在時間の大部分を過ごしたホテル『THE SCREEN』のおかげでしょうか。

見て、聴いて、嗅いで、触れて、食して。
すべてにおいて驚きと安らぎを与えたあの空間が、思えばこの旅を寿いでくれたような気もします。
体の疲れとは裏腹に、心は一陣の風が吹き抜けていくように爽快です。

大人になって出逢いなおす京都は、断然面白い。
『THE SCREEN』を拠点に、今こそ”リトリート・トリップ”へ出発してみてはいかが?

THE SCREEN
烏丸御池/ホテル
THE SCREEN 1枚目
THE SCREEN 2枚目
THE SCREEN 3枚目
★★★★★
★★★★★
4.04
3件
5件
住所
〒604-0995 京都市中京区下御霊前町640­-1
アクセス
京阪本線 神宮丸太町駅から470m 京阪鴨東線 神宮丸太町駅から479m 京都市営地下鉄烏丸線 丸太町駅から687m
宿泊時間
15:00(IN) ~ 12:00(OUT)
セレクタブルホテル『THESCREEN』◯住所📍〒604-0995 京都府京都市中京区寺町丸太町下ル下御霊前町640-1◯アクセス🚃烏丸線丸太町駅より徒歩10分/京阪神宮丸太町駅より徒歩7分◯予算💰¥26,830〜(大人2名) ※投稿時に確認した価格です!参考までに!◯口コミ評価💭★★★★★4.62デザインという「おもてなし」を提供するというコンセプトの「セレクタブルホテル」。13組のデザイナーの多様性と価値観がもたらす感性への刺激。京都御所の自然の中で流す心地よい朝の汗と上質な朝食から始まる特別な一日。観光でもビジネスでも、貴方らしさも見つめ直せるホテル、THESCREEN。選ぶ楽しみ、迷う楽しみを味わうことができます!京都の中央、御苑の片隅に位置し、観光アクセスの中心でありながら、街の喧騒から離れた静けさと、老舗やアートギャラリーが軒を連ねる文化的魅力を合わせもった場所に位置しています。この宿に泊まることが旅の目的になること間違いなし!ぜひ一度訪れてみては…?🤔ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー@tabigokoti_book様、ご協力ありがとうございました😊
【THESCREEN】京都のスタイリッシュホテルといえば。こちらのホテル。1室1室様々なデザイナーさんが手がけたお部屋になっており、唯一無二のステイを体験できます。お食事も、素晴らしいレストランもありますし、写真の通り、ルームサービスも可。めちゃくちゃ本格的なお料理なので、本当に幸せな気持ちになるディナーをお部屋でも楽しめます。代表的なお部屋は103。けど、どのお部屋もおすすめ!イベントも結構やってらっしゃるみたいなので、公式ホームページとかで色々調べて予約するのがオススメです!!場所は、京都御所の近くなので、朝のお散歩も楽しめます。マイクロツーリズムにも、京都観光にも。スタイリッシュなステイをしたい方には超絶おすすめですね!

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