【一発逆転の夜に】六本木「99 sports bar」は大人の遊園地だった

仕事終わり、上司と2人で六本木に降りた。

「今日行く所は、私の行きつけなんだよね。」
「君もハマっちゃうかもよ？」
と、いつになくお喋りな上司。

そんなにお説教が楽しみなのかよ…。
と、上司と対照的に気分が下がる僕。

そうして着いた場所は、艶やかなネオンが輝く「99 sports bar（ナインティナインスポーツバー）」だった。

「ここは、スポーツバーなの。」

上司が指さした先には、確かに今日行われる試合のパネルが設置されていた。

恥ずかしくも、スポーツバーが初めての僕。
こんなにもオシャレな場所なのか…。と戸惑いを隠せない。

「ほら、早く行くよ！」
上司に腕を引かれ、入店してしまった。

店名：99 sports bar（ナインティナインスポーツバー）
住所：東京都港区六本木3-8-15 1F
アクセス：都営大江戸線「六本木駅」徒歩約3分
電話番号︓050-5268-5484
営業時間︓月～土 18:30～翌5:00
　　　　　日 18:30～24:00

スポーツバーと言えば、ガヤガヤとした空間をイメージしていたが「99 sports bar」は違った。

店内はシックな色の内装で、明るいながらも陰陽のコントラストがムーディな雰囲気を醸している。
中央にはビリヤード台が置かれており、なんとも異国情緒あふれる空間だった。

「今日はこの席を取っておいたの。」
と、ボックス席に案内された。行きつけのお店なだけあって、上司は小慣れた様子で席に着く。
少しかっこいいな、と思ったが待ち受けるはお説教。

慣れない雰囲気もあり、緊張が収まらないままお酒を注文した。

スポーツバーらしく、1杯目は「コロナビール」。ライムが添えてあり、なんとも本格的だ。爽やかさが加わり、すっきりと飲むことができる。

いよいよお説教が始まる…。身構えていると、上司が口を開いた。

「最近元気がないでしょ？今日はパーッと飲んで、元気出しなさいよ。」
思いもよらぬ言葉に、一瞬固まる僕。お説教どころか、上司はへこんでいる僕を励ますつもりで誘ってくれたらしい。

上司の優しさと、緊張からの解放で少し泣きそうになったのは秘密。
今日は上司の優しさに甘えて、たくさん飲もう。そう決意した。

緊張が解け、お腹が空いてしまった。
そんな僕を見越してか、上司はおすすめの料理を注文してくれた。

「ここの料理は、本当に美味しいの。店内で全部仕込んでるから本格的だしね。」

得意げに話す上司に関心していると、まず運ばれたのは「フィッシュ＆チップス」。
タルタルソースとケチャップソースの2種類が付いており、フライの香ばしい香りが鼻をくすぐる。

フィッシュフライは、ふわふわの白身とサクサクの衣の食感がとても楽しい！
フレンチフライもカリカリで、伸ばす手が止まらない。

そんな僕を見て上司はさらに料理を注文してくれた。

続いて運ばれてきたのは「バッファローウイング」と「ガーリックシュリンプ」。
どの料理も盛り付けが美しく、見た目ですでにワクワクが止まらない。

こちらのバッファローウイングが、驚くほどの美味しさだった。自家製のブルーチーズソースとチキンの辛味の相性は抜群◎

思わずがっつく僕を見て、
「ちょっとは元気になったかな？」
と上司。思いやりのある1面に、少し顔が火照るのを感じた。いやいや、単純すぎる。

「小腹が満たし、色々遊ぼう！」

「99 sports bar」には、至る所に遊べる場所が。注文をすれば、店内で遊ぶこともできるなんてすごい。
まず連れられたのはビリヤード台だった。
負けた方は次の1杯おごりね、と上司がゲームを始める。男のプライドにかけて負けるわけにはいかない。

ゲームは熾烈を極めた接戦となり、次第に真剣な表情になっていく上司。
普段会社では見ない1面に、思わずドキッとしたのがいけなかった。あと1歩のところで負けてしまった。

「次はカラオケ！」
と言って個室のカラオケルームを利用することに。

スタンディング形式が多いスポーツバーだが、ここは個室も用意されているそうだ。時間制なので、カラオケがしたい時にもちょうどいい。

上司とデュエットをしたり、点数勝負をしているとあっという間に時間が過ぎていった。

気が付くと、沈んでいた気持ちはどこかに消え、上司との楽しい時間に心を奪われていた。

たくさん遊んでお腹が空いてしまった2人。今一度料理を食べることに。

「お肉を食べれば、人生どうにでもなるのよ！」
すでにほろ酔いの上司が頼んだのは「BBQプレート」と「ハンバーガー」。

豪華に盛り付けられたビーフ、チキン、ベーコン、ソーセージに思わずテンションが上がる。
ビーフは柔らかく、チキンはハーブに漬け込んであり香り豊か！

ハンバーガーは外国の方に配慮して豚肉不使用とのことだったが、みじんも感じないほどジューシー◎

こんなに楽しく遊べて、料理も美味しいなんてすごいな。

美味しい料理にグラスはすぐ空になってしまった。

「マスター！映えるお酒持ってきて！」
流石に酔いすぎじゃ…。と思っているとマスターはまさかの快諾。

なんと、オリジナルカクテルを作ってくれた。バーテンのスキルがとても高いマスターに、男ながら惚れ惚れする。
お酒が進めば、話も進む。気が付けば話題は恋バナに。お互いの恋愛観や経験で盛り上がる。

「あんたにもすぐいい人が現れるから、大丈夫！」
と励ましてくれる上司。この人と一緒に飲めてよかった。失恋から完全に立ち直れた気がした。

気が付けばもう終電が近い。楽しい時間はあっという間だなと思っていると、店内が何やら騒がしい。
どうやら今からサッカーの試合が始まるそう。

「ちょっと応援してから行こうよ！」
とすっかり出来上がった上司に言われ、まんざらでもない気持ち。
少しだけ、と応援に参加することに。

テレビ前はすでに人で埋まっていたが、そんなのおかまいなし。上司がいきなり僕の手をグイっと引き、先頭へ。
「はぐれたらいけないでしょ？」と僕の手を強く握る上司。
酔っぱらい過ぎだって。正直、試合の内容は入ってこなかった。

試合が終わり、歩き出す2人。
行きと違うのは、繋いだこの手だけじゃないはず。

「元気になりすぎだって（笑）」
そんな風にふざけ合いながら、お店を後にする。

初めは少し戸惑っていた「99 sports bar」。しかしその実態は、料理もお酒も美味しく、楽しい時間を過ごせるステキな場所だった。

次は恋人と行こう。そう思いながら隣の女性をちらっと見つめ、六本木の夜へ進んでいった。