【新宿の夜】猫かぶり女が「dining bar Othello」で過ごした結果

仕事終わり、イケメン上司に連れられて新宿三丁目駅に降りた。

小食でかわいらしい小柄な女を演じてきた私。
上司に媚び、猫をかぶり続け、やっと掴んだこのチャンス。

「今日は思う存分食べてよ！」
上司は私の顔を見ると、たくらみ顔で口角を上げた。

「ありがとうございます！」
そう言ったものの、食べ過ぎることはないだろうと思っていた。

乾杯のスパークリングワインはちゃんと下からグラスを重ね、けなげな後輩を演じる。

このまま最後まで演じ続けよう。そう思っていた。

店名：dining bar Othello（ダイニングバー オセロ）
住所：東京都新宿区新宿5-17-6 中田ビル3
アクセス：東京メトロ新宿三丁目駅E2出口より徒歩約1分
　　　　　JR新宿駅中央東口徒歩約8分
電話番号︓050-5268-5753
営業時間：月～木 11:30～15:00（L.O.14:00）/ 17:00～25:00（L.O.24:30）
　　　　　金～土・祝前日：17:00〜27:00（L.O.26:30）
　　　　　祝日：17:00～23:30（L.O.23:00）
定休日：日曜日（日曜日が連休の中日の場合は翌月曜）

初めに注文してくれたのは、「アボカドと小エビ、イイダコのアンサンブルマリネ」￥850（税抜）。
女性に人気らしいので上司が気を遣って注文してくれた。

「具材がゴロゴロしていて食べ応えありますね！すぐお腹いっぱいになっちゃいます～♡」
まあ余裕だけどな。

続いて運ばれてきたのは、「山形県産紅花たまごの特製チーズオムレツ」￥820（税抜）。
お店が始まってからずっとある定番料理だそうで、上司も好きらしい。

切り開くとチーズと卵がとろ～んと出てきて…
思わず顔が緩んでしまい、上司をちらっと見るとにやにやしていた。
慌てて顔を引き締め直す。

続いて目の前に現れたものに、私は言葉を失った。
私の真の好物であるお肉が大量に出てきた…！

私は何も言わず、ローストビーフにかぶりついた。

コチュジャンを使用した甘辛いソースが、食欲を増進させる。
甘辛ソースと半熟卵の相性良すぎるんですが！？

夢中で食べ進めていると、バターライスの土台が出てくる。
ライスはライスでも、バターの風味がお肉にも染み渡っていて美味しい！

なんと目の前の「国産牛ローストビーフ丼1129タワー」￥1,129（税抜）を、1人で平らげてしまった。

私の食欲は止まらない。
続いて、2つの新商品パスタが運ばれてきた。

私のもとに来たのは、「超濃厚！帆立と海老の旨味クリームパスタ」。
具材が大きく、素材の旨味をしっかりと感じる。

上司のもとに運ばれた「スパマルゲ 特性チーズソースかけ」。
見た目からして濃厚なチーズが、食欲の琴線に触れる。

たまらずひと口いただく。
チーズが本当にとろ～りしていて、トマトソースとの相性ばっちり。

大変です！上司の顔色云々どころではありません。
今日はお口の中で、とろとろの大渋滞が起きています…！

気が付けば料理はもう終わっていた。

我に返り、自分のお腹が2倍に膨らんでいたことに気づく。
やっちゃった…。

会話に集中できず、無我夢中で食べていた。
嫌われたに違いない。

恐る恐る顔を上げると、目の前にはカクテルが。
ウォッカ、クランベリージュース、フランボワーズ、ライムの入った深紅のカクテル。

「いっぱい食べる君のほうが好き。」
猫かぶっていたことをまるで見抜いていたかのように、上司は言い切った。

猫をかぶっていた私が、初めて素のままで料理を頬張った日。
素の自分が嫌いだったけど、初めて好きだと思えるようになった。
上司との関係も、一歩前進したし！

「dining bar Othello」は敷居が高いと思いきや、カジュアルな雰囲気があふれ、素でいられる和ビストロだった。
また上司と一緒に、美味しい料理を思う存分食べに行きたいな。

猫をかぶった偽りの私とは、もうおさらばだ。