【発掘!面白い町】北前船交易で栄えた東北の港町・酒田市。その歴史にSDGsを学ぶ

東北地方の日本海側に位置する山形県酒田市は、北前船交易の始発港として栄華を極めた港町でした。酒田市の自然・農業・歴史をご紹介する【発掘!面白い町】シリーズ、本記事では歴史にスポットを当ててご紹介いたします。また、これからの時代に欠かせないSDGsの課題も提起しているので、ぜひみなさん一緒にアイディアを探ってみてくださいね。

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提供:酒田市
この記事の目次

百名山に母なる最上川…古き良き日本の風景を守り続ける「山形県」

東北の日本海側に位置する山形県。
蔵王や月山(がっさん)、鳥海山(ちょうかいざん)など「日本百名山」に名を連ねる美しい山々の麓には米沢、山形、新庄といった盆地と庄内平野が広がり、そこへ母なる川・最上川が流れる自然豊かな地域です。

地域によっても少しずつ特色があり、最上川の源流部に位置する置賜(おきたま)、月山や蔵王、朝日連峰などの美しい山々に囲まれた村山、豊かな森林地帯を擁する最上、広大な平野と日本海の恩恵にあずかる庄内と、4つの表情を持っています。
酒田市
その風光明媚な魅力は、かの俳人・松尾芭蕉が『奥の細道』の全150日に及ぶ旅路の中で、約40日余りをも過ごしたと言われているほど。

本記事では、その中から庄内地域の「酒田市」にスポットを当ててご紹介いたします。

江戸の昔、商人の町として一時代を築いた「酒田市」

酒田市
「酒田市」は、4地域にわかれる山形県のうち、庄内エリアに属する人口県内3位(100,787人/令和2年4月30日)の市です。

江戸時代中期以降、酒田港は北前船西廻り航路の重要な拠点港のひとつとして大いに栄えました。
「北前船」とは、北海道と大坂を結ぶ日本海側の西廻り航路を行き来しながら、各地で特産品を売買する商船群のことです。北前船は、現在の各地の文化を醸成するための促進剤としての役割も担っていました。

例えば北海道から運ばれた昆布によって、西日本では現在の和食の基礎ができました。
酒田市からは米や紅花(民工芸品)が運び出され、帰りの荷によって紅花で染められた雛人形や京友禅などの京文化が持ち込まれたと言います。
とくに紅花は、「紅一升金一升」といわれるほど高値がつけられ、お米と並び酒田の商人に莫大な富をもたらしたのだとか。
酒田市
こうした文化交流の痕跡は、毎年2月下旬から4月上旬まで開催される「酒田雛街道」に見て取ることができます。
当時、酒田の豪商たちがこぞって買い求めた京の雛人形は、その数や質において他の地域を圧倒していました。こうした過去の輝かしいコレクションが、雛街道開催期間中に酒田市内の観光施設などでお披露目されるのです。

当時、東北地方において文化交流の最前線となっていた酒田市ですが、その一方で課題もありました。以降で、酒田市が現在抱える課題と将来についての展望に触れていきましょう。

こんなところにSDGs!酒田市の歴史に学ぶ

酒田市
みなさんは山形県沿岸にも砂丘があることはご存知ですか?
「庄内砂丘」は北は吹浦(遊佐町)から南は湯野浜(鶴岡市)まで南北35kmに伸びる広大な砂丘で、日本三大砂丘のひとつに数えられます。
かつての庄内砂丘には、冬の季節風と飛砂の被害から宅地や農地を守るための砂防林が広がっていましたが、戦国時代の戦火や、江戸時代初期からの塩づくりのため伐採され、家や畑が砂に埋没するなど深刻な被害を招きました。
そこで、地域の豪商や豪農、庄内藩により100年以上の歳月をかけたクロマツの植林活動が行われたのです。
飛砂の被害から家や農地を守るための砂防林としてクロマツ林は大切に守られてきましたが、太平洋戦争の物資不足のために再び伐採されてしまい、沿岸の集落はまたしても飛砂の被害に悩まされることになったのです。
酒田市
戦後の砂防林荒廃は沿岸の村々に甚大な被害をもたらし、新たなクロマツ植林は国営事業として実に30年以上の歳月が掛けられ、現在も森林管理署やボランティアによる維持管理が行われています。

国営事業として砂防林が整備されてから約50年、砂防林として守られてきたクロマツ林は私たちに問題を投げかけています。

電気やガスが整備されるまで、クロマツ林の落ち葉や枝は貴重な燃料として利用され、自然と人間の手による管理が行き届いていましたが、今は雑草や雑木が生い茂り管理が行き届かなくなったクロマツに害虫の被害が広がっています。一方で雑草や雑木が増えたおかげで昆虫や小動物が増え、大型の猛禽類が住み始めるなど、生態系は豊かになりました。
また、脱原発や二酸化炭素削減のための自然循環型エネルギーが求められ、風の強い海岸線に風力発電の風車が建設されています。風車を立てるための基礎は海岸の砂の移動を抑えるための草地に設置されるため、砂防林への影響が注目されています。
先人たちの努力の結晶であり飛砂の被害から人々の生活を守ってきたクロマツ林、クロマツ林で育まれる生態系、温暖化と自然循環型エネルギー。本当に持続可能な循環型社会のために私たちが出すべき答えは何なのか?未来を担う子供たちと考えることでSDGsの意識を身に付ける機会となるかもしれません。

酒田市の歴史探索へいざ

北前船交易により栄華を極め独自の文化を発展させながらも、厳しい自然との共生の歴史を持つ酒田市。
自然と文化の歴史が連綿と繋がれている中に私たちは存在しています。

酒田市をケーススタディとして、SDGsの観点を身に付ければ、きっと地球の未来はますます自分事になっていくはず。
さあ、先人の智慧に学び、今の智慧を未来に繋げる「学びの旅」へと出発してみませんか。
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