“ミニカーにかけた無限の想い”経営者に現場担当者……それぞれの視点で見るものづくり

    ただの小さなおもちゃのようでいて、実は世界経済や時代の変遷を象徴している奥深きアイコン「ミニカー」。そんなミニカーを、クライアントと真摯に向き合いながら制作している会社があります。本記事では知られざる「ミニカー」の世界を、経営者や現場担当者などの目線から深掘りしていきましょう。

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    提供:株式会社 MINIATURE・FACTORY
    この記事の目次

    自動車とともに近代を歩んできた小さな存在「ミニカー」

    株式会社 MINIATURE・FACTORY
    愛らしさと格好よさ。
    ノスタルジーと未来感。
    あるいは親しみやすさと重厚感、でしょうか。

    日常には馴染みの薄い「ミニカー」ですが、その存在を正面から見据えたとき、改めてその多面的な魅力に驚かされます。

    ミニカーの歴史を紐解くと、その最初の誕生は1915年。
    アメリカのフォード社が初めて流れ生産方式で自動車の量産を行なったのは1908年なので、ミニカーの歴史はほぼ自動車の歴史であり、ひいては近代の歴史を象徴するアイコンと表現することができるのです。
    株式会社 MINIATURE・FACTORY
    そんな意外にも歴史の長い“ミニカー”を作り続けている会社があります。
    その名は、「株式会社 MINIATURE・FACTORY(ミニチュアファクトリー)」(以下ミニチュアファクトリー)。平成15年の創業以来、某有名自動車メーカーのサンプルから一般企業の記念品までミニカー制作を広く手がけてきたほか、依頼あらばフュギュアやぬいぐるみまで作ってしまうという精鋭のクリエイティブ集団です。

    時代の潮流がDX(デジタルトランスフォーメーション)へと向かっていく中で、「もの」を作り続けるということーーそれも、手のひらに乗るような「小さなもの」をーーそれには、一体どんな想いが込められているのでしょうか。今回は、ミニカー制作会社としてのビジョンや知られざる制作秘話をミニチュアファクトリーの皆さんにお伺いしました

    「“もの”はもの以上の価値がある。ミニカーを通じて色褪せない思い出を提供したい」(代表取締役・恒川琢朗氏)

    設立のきっかけは自動車メーカーのサンプル依頼から

    ー生い立ちも踏まえて、会社設立の経緯を教えてください。

    恒川琢朗氏:設立の経緯は父・恒川憲一(現会長)の代からの話になります。

    もともと「ミニチュアファクトリー」は、両親が1988年に創業した株式会社シー・エム・バー(以下シー・エム・バー)というクリエイティブ&デザイン会社が親会社でした。大手代理店と組んで仕事する中で、ある日「自動車メーカーがサンプルをミニカーで作りたがっているんだけど」という依頼が入ったんです。

    それまで自動車のボディーカラーサンプルはチップで見るものだったのですが、“平面で見るより、クルマの形をしてた方がやっぱり分かりやすいよね”という話になったそうです。

    僕の父が子供の頃からのミニカーコレクターだったので、経験は全くなかったんですが、「やります」って言っちゃったんですよ。

    ーご経験がないところからの出発だったんですね。その後お父様はどんな風にミニカーを制作していったのでしょう。

    恒川琢朗氏:生産できる外国の工場を見つけなければならないのですが、そもそも外国との仕事なんてしたことがないので、右も左も分からないままギフトショーを回り、やっとミニカー作りに協力してくれそうな外国人を見つけたそうなんです。その方は、20年以上経った今も一緒にお仕事させてもらっている、玩具メーカーから独立した人でした。

    それで一緒に工場で試作を始めたんですけど、とはいえその人もミニカー作りの経験がある訳ではなかったので、これが想像を絶する難しさでした

    ミニカー制作ではまず“金型”と呼ばれる原型を作るのですが、その過程でまず理想通りにいかないし、「ボディやサイドミラーの形状が違う」、「パールホワイトの色が違う」などなど、試行錯誤の連続です。一時期はデザイナーも駆り出して、何万個と検品作業したこともありました。

    ー誰も経験のない状況での暗中模索……想像しただけで大変そうです。恒川さんはどういった経緯でジョインされたのですか?

    恒川琢朗氏:その当時、僕は旅行会社で働いていたんですが、(家業を見て)「大変なことをやってるな…」とはうっすら感じていました(笑)。

    あまりに大変そうなので、ある時バイト感覚で家業を手伝ったら、海外でものづくりするプロジェクトが進んでいることが分かったんです。もともと旅行会社に入社したのも海外で仕事がしたかったからなのですが、結局国内旅行専門になってしまって海外に行けてない状況だったんですね。

    それなら、ということでチームに加わりました。
    株式会社 MINIATURE・FACTORY

    ▲株式会社 MINIATURE・FACTORYのロゴ

    ーそこからどのように「ミニチュアファクトリー」設立の流れになっていったのでしょうか?

    恒川琢朗氏:最初2、3年はシー・エム・バーとして受注していましたが、デザイン会社は形のないものを売る会社なので、分社化した方がいいだろうという話になったんです。ものづくり専門の会社として看板を新しくした方が、ものづくりがしたいお客様に認識されやすいだろうし、専門性を高められるだろうと考えました。

    そこで2003年に「株式会社 MINIATURE・FACTORY」を設立しました。

    ミスをすれば損害賠償のリスクも……会社経営で行き着いた「マネジメント」の大切さ

    株式会社 MINIATURE・FACTORY

    ▲ミニカーならではの表現や金額内の再現など、ミニカー制作にはさまざまな制約がある。

    ー本格的にものづくりに参入して何か苦労した点はありました?

    恒川琢朗氏:まず、マネジメントが全然違います。デザイン会社でも印刷物にミスがないよう必ず校正やクリエイティブには厳重なチェックを入れていますが、もし万が一何かが起こったとしても、多少の時間のゆとりがあれば最悪お金を払って刷り直しできちゃうんですよね。

    ミニカーの場合は金型作りにまず2ヶ月かかっているので、ミスがあったことで大きな納期遅れなどが生じると、損害賠償みたいな話になりかねないんです。

    ーなんとも胃が痛い状況ですね。そうかと言って、工場での制作過程全てを注視しているわけにもいかないし。

    恒川琢朗氏:だからこそ、ちゃんと見本をサインバックして工場に送るとか、指示を的確に出すとか、こちら側でできることを最高レベルに高めておくことが自分たちができることの全てなんですよね。

    「ミニカー制作」でネット検索したら、僕らの会社が検索結果の最上位に上がってくるんですけれども、その理由はわかりますよ。こんな大変なことを新規でやろうとする会社はまずいないです(笑)。ひとつトラブルを起こしたら、利益がゼロになるばかりか、むしろマイナスになってしまうこともあるので。だからこそマネジメントを失敗するとダメなんです。

    ーマネジメントする上でとくに気を遣っていることはどんなことでしょうか。

    恒川琢朗氏:最近ようやく気づいたことなんですけれども、人を責めないことですね。

    こちらから工場へ正しく指示を送ったと思っていても、たまに間違ったデザインが上がってきたりすることがあるんです。そんな時は正直責任の押し付け合いになってしまうこともあったのですが、“きちんとパワポのスライドで指示書を作って全て説明したのか?”というと、こちら側が説明を省略してる部分もあるわけです。

    もちろん相手にも真摯に仕事してもらわなければいけないし、ある程度の要求はするのですが、基本的には自分のやり方を改善することしかできないんだな、という自責思考になりました。

    あとマネジメントとは少し違うかもしれませんが、協力会社の人との関係性を良くしておくことも大切です。海外での取引では万が一相手が金型を持って逃げてしまったら終わりなので、信頼できる相手と仕事しなくてはいけません。安さよりも安心の方が大事です。

    もの以上の価値を提供できる存在として、今後ますます精度の高い“ミニカー”を

    株式会社 MINIATURE・FACTORY

    ▲小ロットで低予算のレジン製モビカシリーズ

    ー企業理念「色褪せない思い出を作る」について、そこに込められた想いを教えてください。

    恒川琢朗氏:クリエイティブデザイナーの井上と一緒に、僕らの仕事の目的って一体何なんだろう?と突き詰めて考えたことがありまして。何のためにグッズが要るのか、そもそも喜ぶのは誰なのか、と考えていったときに、出た結論が「ものにはもの以上の価値がある」ということだったんです。

    人間の記憶は色褪せるけど、写真だったりギフトだったり、ものを見たら色鮮やかに蘇ることってあるんですよね。だからものには、その人ならではの価値があるんですよ。

    単純におもちゃとしてのミニカーを差し上げたいわけではなくて、ミニカーを通じて、受け取った企業さんや企業の社員さんがそこから何かの価値を感じてほしいですね。

    ー個人的意味づけができるミニカー、素敵ですね。

    恒川琢朗氏:運送会社さんから依頼を頂くことがあるのも、働いている皆様が“仕事している自分”のアバターとして、あるいは“仕事そのもの”のメタファーとして、ミニカーに感情移入しやすいからなのではないかと思っています。

    ー最後に、次の10年での「ミニチュアファクトリー」の展望をお聞かせください。

    恒川琢朗氏:ミニカービジネスに関してはやはり試行錯誤してきたからこその強みがありますし、今までの積み重ねから良いものを作れるようになってきているので、今後はよりその精度を高めたいと思っています。ミスの起きない仕組みだったり、よりお客様にご満足いただける提案だったり、などさまざまな観点でブラッシュアップしていきたいですね。

    ものづくりの現場では摩擦が発生しがちですが、マネジメントにも力を入れ始めて社内の雰囲気も良くなってきているので、今後ますます従業員にとって働きやすい環境を作っていけたらと考えています。

    「お客様との信頼関係を築いていくプロセスこそ営業のやりがい」(営業部長・羽山氏)

    見積もり依頼はなんと年間200件!うち140件がミニカー関連

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    ーご役職と主な担当業務を教えてください。

    羽山氏:僕はミニチュアファクトリーで営業を行なっています。

    「営業」と聞くと、飛び込みや新規開拓などの業務が想像されがちですが、今ホームページ経由でお問合せを年間200件ほどいただいています。概算すると3日に2件ほど来ているわけで、実際はその対応に追われています(笑)。

    ぬいぐるみやグッズ制作も手掛けてはいますが、問い合わせの約7割にあたる140件はミニカーに関してですね。

    ー年間140件!ミニカーを制作したいお客様がたくさんいらっしゃるんですね。

    羽山氏:新規のお客様の枠を広げようということで、広告の出稿やテレアポ営業の依頼などを行なったこともありましたが、ほとんどそこからは受注に至ってないんですよ。

    テレアポの会社には、業界や資本金、社員数などで絞り込んで(成功確率の高そうな会社に)営業を行なってもらいましたし、広告に関してもトラック運送会社専門の新聞に掲載してもらったりしたんです。ところがほとんど何も生まれない状況なので、やめました。

    思うに、HPの問い合わせにまで来てくださるお客様というのは、強い動機がある。だから最初から確度が高いんですよね。なかには「1台作れますか」とか、「好きな彼氏の誕生日に作ってあげたい」と言った、残念ながらお応えできないお問合せもありますが。

    “たくさんの競合からいかに選ばれるようになるか”が腕の見せどころ

    株式会社 MINIATURE・FACTORY

    ーお客様が問い合わせてくださるのは御の字ですね。通常の“営業”と少し勝手が違いますがどんなところにやりがいがありますか?

    羽山氏:僕にとってのやりがいは完全に、競合の案件を受注するまでのストーリーです。

    やはりミニカーを作ろうと思っている会社というのは、うち一社だけに問い合わせているわけではなくて、数社に問い合わせて相見積もりをとっています。競合他社もいる中で、どうしたらお客様にミニチュアファクトリーを選んでいただけるかはこちらの工夫しどころなわけです。最終的に受注に至るまでにはお客様との信頼関係がないといけないので、それをどうやって構築していくかというところが僕の立場としてもっとも楽しいポイントですね。

    ーさすがは営業さんらしいマインドです。信頼関係を作る上で、羽山さんが心掛けている点はどんなことでしょうか?

    羽山氏:直接お客様に会いに行くということです。

    ー発注額も大きい分、生産者の顔がわかるのは安心ですよね。

    羽山氏:お客様からは「別に来ることないよ」と言われますが、仮に発注になった場合、担当の顔も知らない会社にお金を出しますかという話なんですよ。そうすると「しょうがない、じゃあ会ってやるよ」っていうことになるんです(笑)。

    そこから契約して、制作して……と進んでいき、最後の納品日に間に合った時の喜びは大きいですね。「頼んでよかった」「社内全員で喜んでいます」というメールをもらった時は、やっていてよかったなと思います。

    ー今後ミニチュアファクトリーとしてどんな風に成長していきたいですか?

    羽山氏:お客様が“ミニカーを作りたい”と思ったときに、指名される企業になりたいですね。
    それには一個一個の作品を真面目にきちんと作ることに尽きると思っています。そこで初めてお客様に識別してもらえるメーカーになるんじゃないでしょうか。

    「まず考えるのはお客さまと工場、どちらの要望も叶えられること」(デザイン/プロダクトマネージャー・井上氏)

    「ミニカーはコミュニケーションツールである」をもとにしたプロダクトマネジメント

    株式会社 MINIATURE・FACTORY

    ーご役職と主な担当業務を教えてください。

    井上氏:僕は、お客様の持つデザインイメージやご希望を聞いて具現化していくお手伝いをしています。

    デザイナーというとどうしても“自分のやりたいことを実現する”イメージがあるので、少し語弊がある気がするんですよね。実際にはお客様の希望を具体的に突き詰めながら、デザインや予算、納期などを管理してくプロダクトマネージャーみたいな感じでしょうか。

    ー「具現化」とは具体的にどういったことでしょうか?

    井上氏:お客様が「ミニカーを作りたい」と言っても、じゃあどんな感じのミニカーなのかというところまでは具体的にイメージできてないと思うんです。まずは図面やデザインなどを見せながら、「ここがこういう風に可動します」など細かく説明して具体的にイメージしてもらっていきます

    場合によっては、ペーパークラフトなど立体的にサイズ感を示せるものを作ったり、3Dプリンターで出力してそのままお見せしたりしています。

    ーお客様とかなり綿密にコミュニケーションをとっていくんですね。

    井上氏:そうですね。自分なりに一番大事にしているのは「ミニカーはコミュニケーションツールである」ということなんです。ミニカーはお客さまがプレゼントに込めた想いそのものだったり、あるいはもらった方が(ミニカーを作った)企業についてより深く知るためのきっかけになったりするんですよね。

    そのようにミニカーはコミュニケーションツールだという前提で考えてみると、まずお客様との意思疎通が取れていないと良いものになりません。だから羽山さんが問い合わせがあったらすぐに会いに行くことも含めて、とにかくお客様が喜んでくれる形になるよう、綿密に話し合っていくことを大事にしています。

    完成までには1年程度かかってしまうので、その間のドラマや膨らんでいく想いも全てミニカーに込められていくと考えて向き合っています。

    ーお客様と1年間のお付き合いともなると、密度の濃い関係になりそうですね。今までに忘れられないエピソードはありますか?

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    ▲東武商事さんの依頼で制作したバキュームカーとパンフレット。費用の観点から、元々はメタリックカラーではなくブルー単色での塗装予定だったそう。

    井上氏:コミュニケーションを大事にするようになったきっかけとして記憶に残っているのは、東武商事さんのバキュームカー制作でしたね。元々はもっと小さいもので作ろうという話だったんですけど、非常に凝った作りの実車があるので、いろいろ提案していくうちに予算もデザインも大きくなっていきました(笑)。

    (ここから営業の羽山さんも飛び入り参加)
    羽山氏:東武商事の副社長が「ミニカー制作に携わるなんて一生ないことだから、いろんな部署から人を集めてこのプロジェクトに参加したらどうか」と提案してくださりました。そうした経緯で営業や経理などいろんな部署から集まった10数名が、あーでもないこーでもないと言い合って月に1度一緒に会議をするわけです。

    最初は信頼関係ができていないから単なる業務報告のみでしたが、ミニカーの実現に向けてやり取りを重ねていくうちに、最後は学校のクラブ活動みたいな感じで打ち解けられました。そして最終的に制作過程や制作陣のインタビューなどを載せたパンフレットも作らせていただきました。

    井上氏:出来上がった時の感動や、一緒に築き上げた1年間はまさにドラマでしたね。

    “理想と現実のギャップ”の中から常に最善を選ぶ

    株式会社 MINIATURE・FACTORY

    ー現場だからこそ見える、理想と現実のギャップなどあれば教えてください。

    井上氏:弊社一社で金型作りから大量生産までできれば話はスムーズだと思うんですけど、実際は4社くらいが関わっているんですよね。依頼してくださるお客様がいて、私たちがお引き受けして、工場とやりとりする会社があって、制作する工場があります。

    工場だから効率優先になるのは仕方ないにしても、お客様の希望との間で常に判断を迫られるところばかりなので、そこが一番大変だと思いますね。

    ーそういった場合には、どのように理想と現実を線引きしているのですか?

    井上氏:まず答えはどちらか一方ではない、ということを常に念頭に置いています。その上で、関わっている人が誰も損しないよう、どちらの要望も極力叶えられるように、落とし所を探すんです。

    それでもどうしても難しい場合は誠意を込めて、きちんと理由を説明することが大事だと考えています。

    ー今後ミニチュアファクトリーとしてどんな風に成長していきたいですか?

    井上氏:やはり羽山さんと同じように、基本的には「いいもの」を作っていくことに注力したいですね。

    ただ「OEM(委託者のブランドで製品を生産すること)に加えて自社ブランド品も手掛けたい」という気持ちはあるので、うちから発信していけるものも増やしていきたいです。

    そのためにも今、会社に対して提案を行なっているところです。

    ネクストビジョンは「ミニカーが長く愛される広告塔となる未来」(会長・恒川憲一氏)

    ミスターのミニカー遊TUBE
    最後は、恒川憲一会長にもお話をお伺いしました。

    恒川憲一会長は大阪芸術大学デザイン科卒業後、広告会社勤務を経て、大学同期生であった妻と一緒に株式会社シー・エム・バーを経営。株式会社 MINIATURE・FACTORYを立ち上げた後、現在は息子である恒川琢朗氏に社長の座をバトンタッチしています。恒川憲一会長は通称「ミスター」としても知られ、趣味のミニカーについて語るご自身のYoutubeチャンネル「ミスターのミニカー遊TUBE」でも活動されています。

    ーインタビューのトリとして、会長・恒川憲一氏にもお話を伺います。まずミニカーの出逢いについて教えてください。

    恒川憲一氏:僕の生まれは一宮市(愛知県)なんだけど、小学生の時に地元のデパートでマッチボックスという英国製のミニカーを見つけたわけですね。日本にはないようなおしゃれなデザインやクオリティの高さに惹かれて、これはいいなって思って集め出しました。

    その後デザイナーになったきっかけも、多少はそういうところにあるのかもしれません。やっぱり人間って、何をするかははじめの出会いにかかってますね。

    ー確かにおっしゃる通り、出会いがその後の人生を左右しますね。ミニカーのどんなところに魅力を感じたのでしょう?

    恒川憲一氏:ミニカーっていうのは時代と国を反映した象徴物なんだよね。作られた国やメーカーでしか出せない味わいがあり、その時代にそのミニカーができたということに価値があって、その背景や世界観が楽しいよね。最近のミニカーも大変良くできているけど、個性に乏しく、ギミックも少なく残念に感じる時もあります。

    先日お会いした経済アナリストの森永卓郎さんも『ミニカーからすべてを学んだ ―人生から世界経済まで―』という本の中で書かれていますが、ミニカーの歴史を辿ると世界経済が反映されているから面白いよ。
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    ▲自社製作ミニカーを進呈。コレクター同士、意気投合!

    ー恒川会長にとってたくさんの想い入れがあるミニカーですが、今後ミニチュアファクトリーにどんな展望を期待しますか?

    恒川憲一氏:元々は好きで始まったことがこうして事業に発展したことはとても嬉しいこと!
    だけど、時折り経営としての収益がついてこない点は課題だなと思っています。どうしてもものづくりのこだわりが優先して、つい予算以上のことをしてしまったりしがちなので。

    ーものづくりとビジネスは時として相反してしまうこともありますよね。具体的にはどういった解決策を考えていますか?

    恒川憲一氏:例えば、これまではミニカーの最小注文個数が4,000個だったところを、同じ金型を流用して100台程度の小ロットでもお客様に提供できるようにするなどのビジネスモデルですね。もっと手軽なミニカーを活用したプロモーションや企業ブランディングなどで、多くの方のお役に立てればと思います。
    これでインタビューは以上となります。
    ミニチュアファクトリーの皆様、本日はご協力いただき、ありがとうございました!

    たかがミニカー、されどミニカー。ミニチュアファクトリーが世界へ送り出す“色褪せない思い出”を貴方にも

    経営者の目線、ものづくりの目線、売り手の目線……知られざる「ミニカー」の世界をさまざまな視点から深掘りしました。記事の冒頭に挙げた“ミニカー”の多面的な魅力も、時代の潮流や多くの人々の想いを反映しているからこそ感じられるものなのかもしれません。

    ミニチュアファクトリーでは、法人のお客様を中心としてオリジナルのミニカーを制作中です。来世まで残る色褪せない思い出を大切な仲間同士で共有したいなら、定番アイテムの製作で終わらせてはもったいない!唯一無二のミニチュアファクトリーの皆さんといっしょに、作り上げてみませんか?
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    ミニカー制作を特注レポ!営業車やトラックのミニカーをオーダーメイドしてくれる会社とは?
    更新日:2023年9月5日

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