魅惑の新潟旅|宵の竹灯籠まつりの村上市を訪問!ご当地グルメ・料亭で驚愕の食体験

新潟県の最北端に位置する村上市をご存知ですか?村上市は古くは村上藩の城下町として栄え、日本海に面した豊かな自然から、今なお独自の食文化を受け継いでいる地域です。今回は1日で、秋の幻想的イベント「むらかみ宵の竹灯籠まつり」と併せて、村上市の魅力を堪能してきました。着付けに、“鮭”文化に、お茶体験に、老舗料亭での会席…。この記事を読み終える頃、きっとあなたも村上市に今すぐ旅立ちたくなっているはずですよ。

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この記事の目次

歴史と文化で豊かに彩られた新潟の城下町・村上市

村上市観光協会
“国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。”

これは、かの文豪・川端康成の『雪国』のあまりにも有名な書き出しです。
今さら引用するにはいささか使い古されているきらいがありますが、いまなお多くの人々に親しまれていることからも推察できる通り、いつの時代もきっと、北への旅はどこか特別な旅情を感じさせるものなのでしょう。

東京駅から上越新幹線とローカル線を乗り継ぐこと、約4時間。
新潟県最北端(※)に位置する村上市が、今回の旅の目的地です。山河と日本海に囲まれた豊かな自然と、村上藩の城下町としての歴史を残す彩り豊かなこの地域で、一体どのような出逢いが待っているのでしょうか。

今回は、村上市でしか出逢えないとっておきの「食文化」と「お祭り」にスポットを当ててご紹介いたします。

“村上市 公式HP”参照

村上市観光スタート!『武者呉服店』で着物におめかし

aumo編集部
朝9時に東京を出発し、お昼過ぎに到着した新潟県村上市。

まず最初に向かったのは、1950年創業の『武者呉服店』。2代目店主・武者将由さんが“夏の振袖”を開発したり、SNSで着物の楽しみ方を発信したりと、現代のニーズに合わせた経営を行っていることが特徴の呉服店です。
aumo編集部
今回の旅では非日常気分に切り替えるべく、装いを着物に改めて出発することに。着付けしてくださったのは、店主のお母様である武者リョウコさん。

「この着物は納戸色といって、江戸時代から伝わる色なんですよ。緑を帯びた深い青がとってもシックですよね。松葉の柄は一年中緑が絶えないご神木であることから、縁起がいいとされているんです」と、着物デザインについて解説しながら慣れた手つきで着付けしていってくれます。
aumo編集部
ものの15分程度で着付けが完成!
帯の色は明治期から大正期にかけて流行した「鳩羽紫」です。グレイッシュな紫が、着物の納戸色と調和してシックな雰囲気ですよね。

着心地についても、背筋が伸びる心地よさはあれど、息苦しさは皆無。
見事な着付け術にも、ずっと以前から着てみたいと思っていたシックな着物にも、感無量です。

「歩いたり、階段を降りたりする際は右側(外側の右足の付け根あたり)を少しつまんで“斜め歩き”でね」とアドバイスをいただき、気分一新したところでいざ出発!

『千年鮭 きっかわ』で村上市が誇る食文化“鮭”に触れる

aumo編集部
おめかしして最初にやってきたのは、鮭料理を製品として製造販売する『千年鮭 きっかわ』。こちらでは、村上市の“食の伝統”の代名詞とも言うべき鮭文化を体験できます。
aumo編集部
古民家の店内には古きよき日本を残す調度品に混じって、鮭の加工食品がずらりと並べられていました。

やがて奥に進むと、見えてきたのは……?
aumo編集部
なんと、鮭が一面に吊るされた鮭天井!塩に漬け込んだ鮭を北西の風で乾燥、熟成させるため、このような格好になっているのだそう。こちらの鮭天井を望む大広間で、15代目店主である吉川真嗣(きっかわしんじ)さんが村上市と鮭の深い関係を解説してくれました。

「村上には実に100種類以上もの鮭料理が今に伝わっています。その歴史は1000年以上と古く、平安時代には京の朝廷へ鮭料理を5品目献上していたことが文献として残されています」。歴史ある村上市の鮭文化ですが、戦後は鮭を食べることが“野蛮”だとする風潮から、その文化が危うく廃れかけたことがあったのだとか。
aumo編集部
「きっかわは元々、1626年(寛永3年)米問屋として創業(※)し、江戸時代末期には造り酒屋を営んでいました。しかし戦後の昭和30年代になり、村上から消えかけようとしていた鮭料理を絶やしてはならぬと、14代目の父が大きく方向を変えました。それまで“当たり前の存在”であった鮭料理を初めて食文化として認識し、村上で初めて鮭料理を製品として製造販売する店として生まれ変わったんです。」

初めは資金なし、融資なし、理解者なしの厳しい状態でしたが、その必死の努力がやがて功を奏します。近隣に鮭料理を提供するレストランができ、徐々にメディアに“鮭文化の根付く村上”が取り上げられるようになりました。

今後の展望として、「伝統の鮭料理を受け継ぐこと、さらには伝統の枠を超えた新しい製品づくりを行なうことの2つを行なっていきたい」と語る吉川さん。2015年には洋風鮭ブランド『Madam Kikkawa』も立ち上げ、村上市から全世界へ誇るべき鮭文化を今日も発信し続けています。

“千年鮭 きっかわ 公式HP”参照

鮭の切り込みを見学!まるでご神事のように荘厳な「切り込み式」

aumo編集部
鮭文化の歴史を学んだところで、2Fの座敷へと案内されました。
こちらで見学するのは、乾燥し終えた後の鮭に切り込みを入れる「切り込み式」。一礼とともに入室した吉川さんの真摯な表情に、場内の空気が凛と引き立ちます。

鮭に向かって祈念の儀を行なったところで、いよいよ切り込み開始。
aumo編集部
村上市では、身はもちろんのこと、皮や臓器までも余すところなく鮭をいただくのが慣わしなのだそう。その言葉が体感できる通り、鮭に畏敬の念を持って丁寧に切り分けていく吉川さん。
改めて“いのち”を頂戴していることを、実感できる瞬間です。
aumo編集部
身を切り分けたら、今度は火で炙ります。
鮭の皮は火で炙られるとくるくると縮んで丸まっていくのだと、今回初めて知りました。一体どのような料理が完成するのでしょうか。
aumo編集部
やがて運ばれてきたのは「塩引き鮭」(奥)と「酒浸し」(手前)。
「酒浸し」は鮭を自然の風で1年かけてゆっくりと熟成させ、薄くスライスしたもので、風味添えに食べる前にお酒をかけることからこの名がついたそう。
実際にいただいてみると、いつも食べている鮭と同じとは思えないほど味が濃くて風味豊か!完全に乾いているのかと思いきや、身を噛みほぐすうちにジューシーさも感じられるようになるから不思議です。

「塩引き鮭」は鮭を3〜4週間北西の風に当てて乾かしたもの。村上市ではお正月の祝膳に欠かさずいただく貴重な品なのだそうです。
今回は新しいスタイルとして“洋風の塩引き鮭”をいただきました。低温で熟成を深めた鮭は、口に入れた瞬間に芳ばしさが広がり、味覚が鮭一色になります!

村上市の鮭文化の歴史に始まり、驚くべき鮭の生態や、その豊かな味わいまで学べました。とくに一体の鮭が食卓の加工食品となるまでの工程は、まさに“命の旅”といった感じで見応え充分。
村上市へ行かれた際にはぜひその目で、確かめてみてくださいね。

『茶館 きっかわ 嘉門亭』で今までと全く異なるお茶体験をしよう

aumo編集部
続いてやってきたのは、きっかわの向かいに位置する『茶館 きっかわ 嘉門亭』。こちらでは“茶栽培の北限”と言われたこの地で、人々が努力と研鑽を積んで完成した結晶“村上茶”を味わえます。

また、城下町・村上市に根付く「亭主の茶」の風習も体験できるとあって、旅行客にも人気を博しているのだそう。
aumo編集部
一歩足を踏み入れると、そこに広がっていたのは、大きな一枚板のテーブルが印象的な室内と、和の意匠が息づいた美しい庭園。赤と緑のコントラストがお見事……!

呆然としたまま着席すれば、今回の目的である「御茶セレモニー」のはじまり、はじまりです。
aumo編集部
実演していただくのは、茶道でもなく煎茶道でもない、嘉門亭独自のお点前。流麗な手捌きによって、お茶が見る間に完成していきます。
あまりにも美しいそのお点前に、思わずスマホで写真撮影する面々。
aumo編集部
「お茶の味わいの変化を感じていただけるように」と、一煎目には24〜25℃の少量の水で煮出したお茶が提供されました。薄い飴色からも分かるとおり、ひと口頂いてみると、お茶の旨味部分だけを抽出したような不思議な味。まるで昆布茶から塩味だけを引いたような味とでも言いましょうか……。

「これがいつも飲んでいるお茶と同じだなんて……ううむ。」

奥深き茶の世界に思わず唸る私たち。
aumo編集部
二煎目は、私たちが普段知っているお茶に少し近づいてきました。
茶葉の苦味を舌で転がすうちに、ほんのり奥の方から甘味が広がってくるような……?
aumo編集部
続いて三煎目、と思いきや茶葉が運ばれてきました。
なんとこの茶葉、実際に食べられるのだとか!?生まれてこの方三十数年、茶葉をいただいた経験は後にも先にもありません。それでは付け合わせのポン酢をかけて味わってみましょう…。

恐る恐る味わってみると、まるで普通の青菜のおひたし。
と、思いきや、噛むごとにお茶の苦味がジュワッと広がってきます!不思議!
aumo編集部
あまりにも斬新だった茶葉独特の余韻に浸っているうち、三煎目が点じられました。
今度は60℃程度で煮出した、私たちにもなじみ深い味わいのお茶です。

早速、一緒に提供されたお茶菓子とともに飲んでみることにします。
お茶菓子は、クリームチーズと合わせた干しシャインマスカットや干しいちじくなどのドライフルーツ、一風変わったもろこし団子など、お茶の苦味を中和してくれる好バランスなラインアップ。

ほっこりする味わいの山葡萄寒天や塩気がクセになる鮭の酒浸しなども手伝って、お茶の世界がますます彩り豊かに展開されていくようです。最後にお茶を飲みながら目の前の庭園に目をやれば、しのつく雨が作り出す雨垂れもまた幽玄なり。あまりにも刺激的で幻想的なひとときとなりました。

嘉門亭2Fのお座敷をちょっぴり見学

aumo編集部
本来ならば旅のハイライトである「むらかみ宵の竹灯籠まつり」に向かう頃ですが、外はざんざん降り。

降り止まない雨のことを気遣って、店主の吉川さんが急遽2Fの座敷ツアーを開催してくださいました。和室に洋風ダイニングセットを用いたこちらの客間は、まさに明治、大正の趣ですね。
aumo編集部
aumo編集部
2Fの廊下からは美しい中庭を見下ろせました。
普段、和の世界に触れる機会のない身としては、ことさらの非日常を感じます。

楽しみにしていた竹灯籠まつりはどうやら開催できそうにもありませんが、降り注ぐ雨によって庭の木々が青々と濡れる様子はまさに幻想的。こんなハプニングから生まれる出逢いも、いいものですね。

※店主は千年鮭 きっかわ店主でもある吉川真嗣さんです。

料亭『能登新』でめくるめく食の世界へトリップ

aumo編集部

幻想的な「むらかみ宵の竹灯籠まつり」もちょっぴり体験

aumo編集部
さて、本来は今回の旅のハイライトであった「むらかみ宵の竹灯籠まつり」。20,000本を超える竹灯籠が村上の小路に並べられ、揺らめくろうそくの灯りの中、琴や三味線、尺八に和太鼓などが古典の音色を奏でる……といった世にも幻想的なイベントでしたが、豪雨によって泣く泣く中止になりました。

いささか落胆しながらも能登新さんに着いてみると、なんと料亭敷地内のそこここに竹灯籠がありました。少しでもおまつりの雰囲気を楽しめるよう、用意してくれたのだとか。なんと粋な計らいなのでしょう!

早速参加者全員でろうそくに火を灯すことに。竹筒の中に、一つひとつやわらかな灯りが広がっていきます。
aumo編集部
点灯した竹灯籠に囲まれ、記念写真をパシャリ。
能登新さんのお心遣いと竹灯籠まつりの幻想的な雰囲気を感じられる、すてきなひとときになりました。

贅を極めた会席で一段上の“食体験”

aumo編集部
席に着いたら、いよいよ会席のスタートです。
期待に胸を膨らませながら献立を見ていると、運ばれてきたのは2品目の椀盛りである「鮑のにゅうめん」。

「雨で体が冷えているだろうから」との気遣いで、急遽こちらに差し替えてくださったのだとか。またしても粋な計らいに脱帽です!

いざひと口頂いてみると、弾力のある鮑がたまらなく美味……!また、すだちの酸味と磯の香りを存分に移したお出汁も疲れた体に染み渡っていくようです。今晩の食体験は、忘れられないものになりそう…。
aumo編集部
続いては(本来)1品目の前菜「鮭尽くし」。

こちらには7品目そろっているのですが、皮せんべいや腹子みそづけ、酒びたしといった比較的なじみやすい鮭料理だけでなく、「白子どんびこ旨煮」や「十五年物めふん」といった聞きなれない料理も含まれているのです。

みなさんはいったいなんだか、わかりますか?
aumo編集部
実はこの「白子どんびこ旨煮」、鮭の心臓部分なんです!
“どんびこ”とは、心臓が鳴る様子を表した擬音語だそう。名の由来を聞くと一層の勇気が必要になりますが、いざ挑戦!

「……あれ?おいしい!」

臭みを覚悟していましたが、お出汁、みりん、お酒、醤油で味付けされているとあって、味付けは普通に魚の煮付けのよう。つるんとした食感は貝に似た感じです。難なくクリアー!
aumo編集部
続いて挑戦するのは「十五年物めふん」。
実はこちら、15年寝かせた鮭の“血”なんです……。どんびこよりも勇気が試される珍品ですが、新しい食体験こそ自分のリミッターを外してくれる機会!いざ参りましょう!

お箸で掬い上げ、口に運んだ刹那、強めの熟成香が鼻に抜けていきます(笑)。
これはかなり通好みかも!しょっぱくてお酒好きにウケそうな一品でした。
aumo編集部
ところで、この会席の魅力はなんといっても料理長の山貝誠さんが目の前で調理を施してくれること。食材や日本料理のいろはについて軽妙な解説を交えながら客人を愉しませてくれます。
炊き立ての銀シャリで握ってくださっているのは「青まりいか にぎり」。
aumo編集部
握り終わると、料理長自らにぎりを順番にサーブしていってくださいます。
光沢あるいか握りは、まさに芸術品といった趣。横に添えられているガリは、生姜ではなくカブなのもポイントです。

トッピングの藻塩とゆずの香りを感じながら食べれば、海、山両地の豊かさが舌の上に広がって至福!
aumo編集部
お次にご用意くださっているのは、「やまめ 土佐酢ジュレ」。
一行は調理台まで近づいて調理風景を見学させてもらうことに。

ところで特筆すべきはなんといっても、海産物のこの大きさです!車海老、のど黒、カラスミ、村上牛、鮭などの食材がずらりと並べられ、もはや一大エンターテイメントの様相すら醸し出しています。
aumo編集部
「こののどぐろ、大きいでしょ?普通ののど黒はこれくらいのサイズです」と、料理長。
通常サイズの1.5倍ほど大きいのど黒に一同騒然!
aumo編集部
ワイドショーにも劣らないひと騒ぎがあったところで、運ばれてきたのは「やまめ 土佐酢ジュレ」。

(やまめってどんな味だったっけ?)

そんなことを思いながら口に運んでみてびっくり!
やまめって、身がプリっとしていながらも歯ごたえがふかふかなのですね。そこへ土佐酢ジュレがほのかな酸味を加えてリフレッシングな味わいになります。
食べるごとに驚きと酸味によって気分が一新されるような一皿でした。
aumo編集部
もはやここまで、驚きの連続。そんな中、次にやってきたのは比較的親近感のある鮭料理です。こちらの料理の名前は「秋鮭焼霜作り」。

スタンダードな料理かと思いきや、フレンチの“ロースト”技法を取り入れたお作りとのこと。魚沼産の本わさびと作り醤油をつけ、ひと口でパクリ。

なるほど、炭の香りが鼻孔に抜けていきます。ローストの芳ばしさが和牛を食べているかのような錯覚を与えてくれるため、外国人客にもウケそうですね。

おいしくて、あっという間に完食です。
aumo編集部
お次は「すずき にぎり」。
こちらは2週間熟成させたすずきに、生醤油とすだちの果汁を振っているのだそう。
食べてみると、すずきの透明な味わいの中で生醤油とすだちの風味だけが広がっていく逸品です。
なんだか“食べる夏”といった雰囲気で、ちょっぴり不思議な感覚になりました。
aumo編集部
驚き疲れを労うかのようにおぼんに設られたのは、「鮭みぞれ蒸し」。
“癒し系”なビジュアル通り、口に含むとほわほわした衣の中から甘みのある鮭が解けていき、まさに夢心地です。
後追いで醤油のかすかな塩気も手伝って、甘辛のコントラストを愉しめました。
aumo編集部
次に用意されているのは……?
aumo編集部
なんと「天然ふぐ湯引き」!
これがもう悶絶するほどおいしくておいしくておいしくておいしくて……!

食レポを読み返したら「おいしすぎる……!肉厚、もちもち、ポン酢との相性ばっちり!」と書かれており、執筆する今も“セルフ飯テロ”を受けている次第です(笑)。

実は私、能登新さんにもう1度プライベートでお邪魔することを決意しているのですが、何を隠そう、このふぐが目当てなのです。1度味わえば、大切な人にも食べて欲しくなること請け合いですよ。
aumo編集部
ここから豪華さはさらにヒートアップ!(※個人の感想です)

左側の車海老の握りは海薫るジュレがあしらわれており、口に入れた瞬間またしても悶絶!
なぜこんなにおいしいのかと尋ねたら、高温の油の中にさっとくぐらせ、すぐに氷を入れた冷水に取る「油霜」という方法で調理されているからなのだとか。だからこそ、本来淡白な海老がこれほどまでに芳醇な味わいになっています。これはそうそう自宅で真似できる代物ではありません。

対して、左側の車海老の握りにはエビパウダーがまぶされており、なんだかエキゾチックな楽しい味わいになっていました。

まったくもって、旨さは暴力だ……!(※個人の感想です)
aumo編集部
お次は料理長が“ほぼカニ爆弾”と称する「宝箱かに」。カニの身の中にほんの少しだけシャリを混ぜた、“ぜいたくな本末転倒”の一品です(笑)。
期待に胸を膨らませながら、お箸で摘んでパクリ。

……カニが甘い!とにかくカニの身が甘いです。
繊維が解けて口中に広がっていくから、その分広範囲で甘みを強く感じられるのかもしれません。上に乗った生姜がピリリと引き締めてくれ、緩急がついているところもポイントです。

いやあ、驚いた。このサイズからは想像もできない、濃厚な味わいに放心。
aumo編集部
とっくに満腹を過ぎていたとしても、この宝石箱のような「はらこ」をサーブされたら…やっぱり食べてしまうのが人の性、ですよね?

こちらは通常のいくらと異なり、皮に入ったまま完熟を迎えたはらことあって、レア度は相当高め。
ひと匙口に含んでみたら、一粒ひとつぶの味わいの濃さにびっくり仰天です。

もちろん、完食したのは言うまでもありません。
aumo編集部
さてさて、今度は食材を炙り始めた料理長。
一体何かと思えば、先ほど一行を大いに沸かせた「のど黒」です!
aumo編集部
お箸で持ち上げて、この記念すべき食体験をパシャリ。

口に含んだ刹那、のど黒が衝撃的な旨味を持って舌の上に広がっていきます。
ふくふくとした食感、ちょうど良い歯応え、芳醇な味わい…全てがそろっている完璧さ!

なにこれ。尋常じゃない。
aumo編集部
握りのラストは「村上牛焼にぎり」。
軽く炙られた牛肉から、ほのかに甘い香りが漂います。
味わってみてびっくり!なんだか牛肉を食べているというよりかは、大トロを食べているような……。芳醇な脂の甘みがそう錯覚させるのでしょうか。
隣からも「魚が肉っぽくて、肉が魚っぽいよね」なんて声が聞こえ、うんうんと納得する始末。

一連の握り体験を終えた今、「多分この先も、ここまでおいしいものには出逢えないであろう」ことを直感した瞬間でした。
aumo編集部
会席もそろそろクライマックス間近。
「甘鯛旅笠焼き」は、濃厚なカラスミとふくよかな甘鯛を併せて堪能できる至福の逸品です。
どことなく秋を感じさせる盛り付けやお皿の風情にも、気づけばにっこり。
aumo編集部
ゆったりと甘鯛を頂いているうちに、最後の料理が完成した模様。土鍋に炊かれているのは、なんと「村上猪炊き込み飯」!「この猪も村上で獲れたものなんですよ」と料理長。
村上市内の食材だけで全ての料理が完成してしまうのでは?と思えるほど、食の恵みが豊かです。
aumo編集部
ジビエはさほど得意ではありませんが、試しにひと口パクリ。
なんと、猪の臭みがまったくなく、むしろ脂の甘みがご飯の潤滑油代わりとなっておりました!これはおいしい!
うれしい“想像以上”の味に、満腹ながら完食する人続出(笑)。

こうして村上での目眩く食体験が、驚きと深い感慨と共に、幕を閉じたのでした。
aumo編集部
ご飯ものを乗り越えれば、デザートなんて別腹です。
最後のデザートは、竹灯籠まつりをモチーフにした小粋な演出と共に登場。能登新さんはどうしてこうもおもてなし上手なのでしょうか。

村上市の宮尾酒造が作る大吟醸「〆張鶴(しめはりつる)」を使ったという日本酒ゼリーは、ゆるめのテクスチャが特徴。スプーンで舌上においた瞬間、ふわりと広がるお米の香りと共に日本酒の甘みが広がっていきます。

今回の会席ではお酒こそいただきませんでしたが、日本酒ゼリーがこれまでの食事の余韻を優しくまとめ上げてくれた感覚から、改めて日本酒と日本料理のマリアージュを感得。
ぜひプライベートでは、村上市が誇る日本酒と共に驚きの食体験をしてみたいものです。

城下町の歴史と豊かな食体験が迎えてくれる新潟県村上市へ行こう

村上市観光協会
城下町としての歴史と、日本海に面した自然がもたらす豊かな食材。さらにはその両者の結晶ともいうべき、驚くべき食文化。
旅先候補としてはあまりメジャーではない新潟県村上市ですが、今回の旅で、こうした小さな町にこそ日本本来の静けさと美しさが息づいているのだと感じさせられました。

また、冒頭の着付け体験も、旅を楽しめたポイントのひとつ。城下町と調和する装いが、1日中、非日常気分に彩りを添えてくれました。
村上市観光協会
新潟県村上市は、定番の国内旅行に飽きてしまった方はもちろん、デフォルメされていない生の日本を感じたい方、食文化に興味がある方にはぜひともおすすめしたいスポットです。次の休暇には、日常を脱ぎ捨て、新潟県村上市で格別の旅情を味わってみてはいかがでしょうか。
もちろん、来年のむらかみ宵の竹灯籠まつりもお楽しみに!

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※掲載されている情報は、2023年11月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。

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更新日:2024年5月8日

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