新・世界遺産となった奄美大島。その登録経緯から息を呑む絶景まで徹底解剖

2021年7月、奄美大島の世界自然遺産登録のニュースに日本中が沸きました。全国でいま最も脚光を浴びる場所のひとつといっても過言ではありませんが、その全貌を知る人は意外と多くありません。「実際の奄美大島って一体どんな場所?」。シンプルかつ、いま最も知りたい”問い”の答えを探すべく、aumoは取材を敢行してきました。

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この記事の目次

2021年7月26日、世界自然遺産に登録された奄美大島

アルマダス
2021年7月26日、かねてより世界自然遺産の推薦地であった奄美大島・徳之島が沖縄県の沖縄島北部・西表島とともにUNESCO(ユネスコ・国連教育科学文化機関)によって、正式に世界自然遺産として登録されました

2003年、環境省と林野庁による「世界自然遺産候補地に関する検討会」で”世界遺産*の評価基準を満たす可能性が高い地域”として初めて選出されてから、約18年。
ユネスコの諮問機関であるIUCN(国際自然保護連合)の現地調査を2回行い、紆余曲折を経た末に、晴れて日本で5つ目、鹿児島県では屋久島に次ぎ2つ目の世界自然遺産の誕生と相なったのです。

今もっとも日本で脚光を浴びる、奄美大島。
本記事では、そんな奄美大島の魅力を余すところなく解剖していきます。

※「世界遺産」とは「世界自然遺産」を含んだ総称です。

そもそも「世界遺産(世界自然遺産)」って?

アルマダス
奄美大島の魅力を紹介する前に、まずは「そもそも世界遺産ってなんだっけ?」をおさらいしましょう。
公益社団法人日本ユネスコ協会連盟では、世界遺産の定義を以下のように示しています。

世界遺産とは、地球の生成と人類の歴史によって生み出され、過去から現在へと引き継がれてきたかけがえのない宝物です。現在を生きる世界中の人びとが過去から引継ぎ、未来へと伝えていかなければならない人類共通の遺産です。

出典:www.unesco.or.jp

人類共通の遺産であり、かけがえのない宝物。
とても情緒的な響きではありますが、それを決めるためにももちろん、ある一定の基準が設けられています。

「世界遺産」は、1972年の第17回UNESCO総会で採択された世界遺産条約(『世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約』)の中で明確に定義されており、その種類は1.文化遺産、2.自然遺産、3.複合遺産(1,2を兼ね備えているもの)の三種類。

登録に至る流れは、以下の通り。
  • 条約締約国が選出した候補地を世界遺産委員会に推薦
  • 各世界遺産の専門機関によって調査(文化遺産は国際記念物遺跡会議[ICOMOS]、自然遺産は国際自然保護連合[IUCN]によって実施)
  • 各専門機関の報告書をもとに、世界遺産委員会が登録可否を判断
このように厳正なる審査によって、地球上で過去・現在から未来へと受け継がれるべき貴重な財産を決定しているのです。

奄美大島が世界自然遺産登録された理由・基準とは

アルマダス
それでは、奄美大島が世界自然遺産に登録されるに至った理由は何でしょうか?
まず世界自然遺産に登録されるには、以下4つの評価基準のうち、いずれか1つを満たす必要があります。
  • 【自然美】類まれなる自然美・美的価値を有する地域であること
  • 【地形・地質】生命進化の記録や、地形形成において進んでいる地質学的過程など、地球の歴史を知る上で主要な段階の見本を有する地域であること
  • 【生態系】陸上・淡水域・沿岸・海洋の生態系や動植物群集の進化・発展において、生態学的過程または生物学的過程の代表的な見本を有する地域であること
  • 【生物多様性】絶滅のおそれのある種の生息地など、生物多様性の保全にとって最も重要な生息地を有していること

自然景観の美しさによるものかと思いきや、意外や意外。
奄美大島をはじめとして、今回同時に世界自然遺産へ登録された徳之島、沖縄島北部及び西表島は、上記のうち「生物多様性」が評価されたのです。

さらに、以下2つの条件を満たす必要もあります。
  • 世界遺産として適当な広さがあり、開発などの影響を受けず、自然の本来の姿が保たれていること
  • 世界遺産としての価値が将来にわたって維持できるように、保護のための取り組みが充分に行われていること

いかに奄美大島が稀有な地域であるか、気づかされますよね。
アルマダス
そんな奄美大島に生息する固有種の数は、約800種以上。
世界でも他に類を見ない生物多様性の高さ、固有種の多さですが、こうなった理由は大きく分けて二つあります。

一つ目の理由は、遡ること約1,000~200万年前。
奄美大島をはじめとする徳之島、沖縄島などの中琉球がユーラシア大陸から引き離されたとき、天敵が同座しなかったこと。海峡によって隔たれた島々では、大陸で絶滅してしまった生きものが、固有種として現在も生息しているものがいます。
アルマダス
▲奄美大島、加計呂麻島、請島に生息する天然記念物”ルリカケス”
二つ目の理由は、奄美大島を含む南西諸島が世界に大きく6つある生物地理区のうち、旧北区と東洋区の境界線に位置しており、両者の要素が混ざり合った豊かな生物相があること
その結果、奄美大島は国内全体の生物種の約13%*を擁しているのです。

これって、すごいパーセンテージだと思いませんか?
前置きの勉強タイムが長くなりましたが、今回aumoではまさに”地球の生き証人”ともいうべき奄美大島をとことん取材してきました。

以下で美しい女性二人とともに、その様子を詳細にお届けいたします。

陸の絶景・海の絶景・豊かな生態系の三項に分けてご紹介していくので、奄美大島に興味をお持ちの方はもちろん、”美しい風景にただ癒されたい”という方もぜひご覧くださいね。



※日本全体の生物種として確認されている種数は約38,000種、そのうち奄美大島での確認種数は5,083種(鹿児島県奄美市公式HP参照)

奄美大島を旅するのはこちらの二人

aumo編集部
今回の旅のモデルとなるのは、奄美大島・名瀬で幼少期から思春期までを過ごしたという、女優の下京慶子さん(左)と、フィットネス、旅、食事などをテーマに活動しているインスタグラマー・babylionさん(右)。

「奄美へは10年ぶりに帰ってきましたが、全然あの頃と変わってなくてびっくり!」と語る下京さん。
取材陣一同、下京さんから奄美大島特有(?)の感嘆符だという『はげ〜! (すげ〜!の意)』も教えてもらい、準備は万端です。
早速、奄美大島の誇る”はげ〜!”大自然へと旅立ちましょう。

【陸の絶景】とどろく滝にむせ返るような緑…奄美大島の雄大な自然美に触れる

【フクギ並木】南国でしか出会えない緑のトンネル

aumo編集部
”いかにも”な奄美大島の大絶景をご紹介する前に、まずは知る人ぞ知る隠れ人気スポットからご紹介します。

こちらは、大島郡大和村国直(くになお)にある「フクギ並木」
フクギとは高さ10〜20mにもなる常緑樹で、フィリピンや台湾に自生するほか、日本では沖縄や奄美群島で防風林・防潮林として植栽されているのだそうです。

晴れた日はこんな風に、木漏れ日が落ちる緑のトンネルに早変わり。
aumo編集部
▲フクギは漢字で書くと”福木”。地元の人曰く、”フクギの葉に願いごとを書くと叶う”との言い伝えもあるのだとか
緑のトンネルを進んでいった先は、美しい国直海岸。
潮の音を遠くに聴きながら、おとぎ話の世界に迷い込んだかのようなお散歩を楽しめる、癒しのスポットです。

さらに本格的な”奄美歩き”を満喫したい方は、奄美ならではの自然や文化にふれ合うことのできるコース「世界自然遺産奄美トレイル」もおすすめ
大和村エリアのコースには上記でご紹介したフクギ並木のほかにも、見どころがたくさん。
詳しくは下記リンクからチェックしてみてくださいね。

【マテリヤの滝】陽光を浴びて輝くエメラルドグリーンの神秘

aumo編集部
続いてご紹介するのは、奄美大島の最高峰・湯湾岳麓の福元盆地にある『マテリヤの滝』です。
一種独特な響きを持つこの名の由来は、”太陽が輝く滝壺”という意味の方言の「マ・ティダ・ヌ・コモリ」。

この地はその昔、旅路の休息地として賑わっていました。
木々が鬱蒼と生い茂るなかで唯一、この滝壺だけは上にぽっかりと青空が見え、太陽の光によって照らされる場所だったそうです。
aumo編集部
駐車場から滝に至る道のりは、徒歩約5分ほどの渓流沿いの遊歩道。
ほんのわずかな時間のウォーキングですが、川のせせらぎ、滝の轟き、草木が風に揺れる音を体全体で堪能できるこの気持ちよさは表現しようがありません。

ちなみに、この渓流の行き着く先は、マングローブ原生林。
奄美大島の大自然が巨大な”ひとつ”であることを、体感できる瞬間です。
aumo編集部
滝の落差は12mとさほど高くないものの、滝壺の深さは6〜7mと深め。
水深差があるため、水面の手前から奥にかけては、エメラルドグリーンの美しいグラデーションが広がります

神秘的な光景を前に深呼吸すれば、身体に新鮮な空気が満ちていくのを感じるはず。

【奄美群島国立公園特別保護地区】あまたの生命を育むマングローブ原生林

aumo編集部
奄美大島へ訪れたなら、ここを見ずして帰ることはできません。
全体の94%を山林が占めている、奄美市住用町
役勝川と住用川の合流するデルタ地帯は71ヘクタールにも及ぶ群落となっており、「奄美群島国立公園特別保護地区」として指定されています。
aumo編集部
この地区に群生するのは、熱帯・亜熱帯地域の風景でお馴染みのマングローブ
といっても、「マングローブ」とは何か特定の植物を指し示す単語ではありません。
実は、熱帯や亜熱帯地域の河口など、満潮によって冠水する地帯に生えている植物を総称するものなのです。

奄美大島のマングローブ原生林に成るのは、主にオヒルギとメヒルギの2種。

オヒルギとメヒルギが、潮の満ち引きによってその全貌を隠したり顕したり。
この地では、時間すらその神秘性を強めるための舞台装置となるようです。

さあここからは、マングローブ原生林の中へ探検と参りましょう

満潮になったら、奄美大島の名物レジャー「カヌーツーリング」へ出発

aumo編集部
満潮になったら、カヌーツーリングの出発どき。

ライフジャケットを着込んで、パドルの使い方をレクチャーしてもらったら、早速カヌーツーリングへ出発です!
aumo編集部
最初は”落ちたらどうしよう?”と不安げだった二人も、次第にコツをつかんできた様子。
役勝川(やくがちがわ)の悠久たる流れを、すいすいと漕ぎ分けていきます。

このように、カヌーは安定性が高く、大人はもちろん小さなお子様でも操縦できるのが利点
水中へ転落する可能性はあまりありませんが、パドルからしたたる水滴によって、下半身はびしょ濡れになる可能性大。チャレンジする方は、撥水・防水性の高いボトムスを着用することをお忘れなく
aumo編集部
出発地点から漕ぐこと約15分程度。
中洲をV字型に折り返した先には、一面マングローブ原生林の世界が広がっていました。
aumo編集部
パドルを漕ぐ手を休め、マングローブ原生林の中で深呼吸。
この神秘的な原生林が、ハゼやチヌ、二枚貝、現在絶滅の危機に瀕しているリュウキュウアユなど、あらゆる命の生息地となっているのだそうです。

折しも時刻は夕暮れ時。
水面下での命の賑わいとは対照的に、西陽が木々を分け入って水面に落ちる様は静謐そのもの。
それはまるで、時が止まったかのように思えるほど幻想的な光景でした。

【フナンギョの滝】かつて信仰の場として栄えた凄烈な瀑布

aumo編集部
駐車場から軽い登り道を歩くこと、およそ10分程度。
いよいよ次なる絶景『フナンギョの滝』が見えてきました。
この瀑布は落差35mにもなり、近づくほどに落水音が轟々とこだまする迫力のスポットです。

”フナンギョ”とはまたまた聞き慣れない名前ですが、その由来は、昭和初期に遡ります。
この滝のある住用は昭和初期には林業が盛んで、切り出した木を川に流して運んでいました。
滝周辺で切り出された木のうちのほとんどは舟木に利用されていたため、「舟木を切りに行く所」から「舟行」と縮まり、転じてこのような名前で親しまれるようになったのだとか。
aumo編集部
舟木と関連の深い場所であるだけでなく、この滝はかつて”信仰の滝”としても崇められ、奄美大島に住まうノロ(琉球神道における女の祭司)も修行に訪れる場所だったのだそう。
絶え間なく落水する光景に魅せられるうち、いつしか木々や小さな生きものの気配は止み、立ち現れたのは”滝と自分”だけの世界。
自然信仰の原点を、頭ではなく肌感覚から理解したい方に、是非とも訪れてみてほしいスポットです。

【大熊展望広場】地元民も見物に訪れる、雄大なサンセットビュー

aumo編集部
奄美大島の名瀬市街地から車を約15分ほど走らせた場所にある、『大熊(だいくま)展望広場』
ここは地元の人々も夕陽を愛でに訪れる、とっておきのサンセットビューポイント。

ガジュマルが傍らに佇む展望広場からは、左手に名瀬市街地や名瀬港、右手に茫洋たる東シナ海を一望することができ、シーズン問わず絶景を愉しめます
aumo編集部
日の入りの時刻辺りになると、展望広場には次々に見物客が集まってきました。

ギャラリーが気持ちを同じくして見守るあいだにも、太陽は雲間を下降し、見る見る間に水平線と近づいていきます。太陽の位置によって空の色模様が微妙に変化していく様もまた、絶景。
aumo編集部
▲こちらは、スマホで撮影した画像。「見たままが撮れない」と思うことも多い自然風景だが、それを差し引いても美しい一瞬だ
最後は水平線へと落水。
地元の方曰く、この瞬間を「海ポチャ」と呼ぶのだとか。
いかにも自然との距離の近さを感じさせる、奄美大島の人らしい表現ですよね。

暮れてからもなお、空には太陽の残した紅色が美しく棚引いているのでした。

【海の絶景】見渡す限り、青のパレット。透明度の高さが生み出す”奄美ブルー”に魅せられる

【用安・神の子海岸】絶景あり、娯楽ありのバランス◎な人気ビーチ

aumo編集部
奄美大島を代表する絶景といえば、やはり透明度の高い海。
奄美空港から名瀬へと車で向かう途中、ひと際目を奪われるのが、遠浅によってミルキーブルーからエメラルドグリーンに染まる『用安・神の子海岸』です。
aumo編集部
このビーチの魅力は、なんといっても自然景観の美しさと、人工的なエンタメ要素が共存しているところ。
海岸の岩場には魚やサワガニなど小さな生きものが暮らす一方で、延長1.9kmにも及ぶ砂浜にはヤシの木々とガゼボが立ち並び、南国リゾート感も満点です。
aumo編集部
▲SNS映えしそうなブランコも発見
aumo編集部
▲ガゼボの中から海をバックに撮影すれば、南国感満載のショットの完成だ
シュノーケリングツアーやSUP、フライボードにウェイクボード、トーイングチューブといった各種マリンスポーツも充実しており、このビーチ一箇所で丸々2日は遊び尽くせそうなほど。

また、ビーチの近くにはリゾート施設『ばしゃ山村』があり、レストランやショップ、ホテルを完備しているので、ファミリーや友達同士で思いっきり遊ぶのにも最適なスポットです。
aumo編集部
▲荒天と晴天に二分された奇跡の瞬間に、思わず息を呑む
ただし、突然のスコールにはくれぐれもご注意を。
ものの1分か2分で空模様は一変。たちまち篠突く雨となり、思わず呆気に取られてしまうはずですから。

【打田原海岸】”ありのまま”の美しさと心地よさを教えてくれるビーチ

aumo編集部
エメラルドグリーンやターコイズブルーに輝く、この島の海。
それは”奄美ブルー”と称され、まるで青色の絵の具をひっくり返したひとつのパレットのよう
こうした絶景が、この島ではさも当然のものであるかのようにあちこちに散見されますが、笠利町の『打田原(うったばる)海岸』もそのひとつでしょう。

目も覚めるようなこの美しさに反してひと気は少なく、素朴な自然風景を愉しめるところが大きな魅力となっています。
aumo編集部
▲浜辺に群生するのは、熱帯・亜熱帯の海岸に咲くと言われるグンバイヒルガオ
aumo編集部
▲パウダー状の白砂が波に洗われる光景は、一種のヒーリング効果さえ感じる心地よさ
岩場に腰掛け、波が打っては返す様子を眺めている間に、浜辺で遊ぶ人々の姿がひとつの風景として視界に入ってきました。
ボール遊びに興じるカップル。
波が押し寄せるたび、歓声をあげる子どもたち。
太陽の眩しさに目を細めながら、家族を見守る母親。

ありのままの自然を残したこのビーチでは、人の何気ない営みのひとつひとつが、いっそう素朴で美しいものとして際立ちます。
aumo編集部
ああなりたい、こうなりたい、と誰かの額縁に自分の輪郭を合わせようとして、人は本当によくもがくけれど。目指すべき姿や美しさは、外側ではなく元から自己に内在していて、心地よさを感じたときにこそ顕れるものなのではないかーー。

図らずも、そんな思索に耽ってしまうくらいの不思議な魅力が、このビーチにはありました。
aumo編集部
ところで奄美大島の海は、海上景観だけでなく、海中景観も美しいことはご存知でしたか?
ひとたび潜れば美しい珊瑚礁や豊かな生物相に出逢えるとして、その魅力の虜となるダイバーはあとを絶たないのだとか。
そんな魅惑的な海中景観のご紹介は、またいつかのお楽しみ。

【豊かな生態系】固有種の数は約800種以上。奄美大島のユニークな生きものに出逢う

aumo編集部
奄美大島の魅力を語る上で外せないのが、世界自然遺産登録の決定打ともなった生物多様性。
生物種の多さは一章目でご紹介した通りですが、特筆すべきはその固有種数。
維管束植物125種、哺乳類8種、鳥類2種、陸生爬虫類10種、両生類9種、陸水性魚類9種、昆虫類695種、淡水甲殻十脚類3種と、実に800以上の固有種が確認されているのです。

わけても特に有名なのは、アマミノクロウサギ、アマミイシカワガエル、ルリカケスなど。
このような貴重な動植物が夜の森で見られる”ナイトツアー”へと行ってきました*。

夜行性の動物たちに合わせて、日も完全に暮れた頃にエコツアーガイドと一緒にミニバンで夜の森へ出かけると……いました、いました
aumo編集部
生きた化石と呼ばれる”アマミノクロウサギ”の子どもです!

普通のウサギの姿と比較すると、耳(や脚)が若干短めなことがお分かりいただけるでしょうか。
アマミノクロウサギは、奄美大島と徳之島にだけ暮らす”原始的なウサギ”といわれています。

太古の昔から存在している生きものが今もこうして生き続けているなんて、なんだか歴史のロマンを感じますよね。
aumo編集部
▲シダ植物の新芽を主食のひとつにしているため、シダ植物周辺では目撃しやすくなる。ただし、急接近は厳禁。哺乳類や鳥類を観察するときは、2m以上の距離を保つことを意識しよう
夜行性のため、このようにライトを当てると、陽が昇ったと錯覚してじっと動かなくなるのだそう。
貴重な邂逅を記念して、そっと一枚記念撮影。

アマミノクロウサギは保護が求められる絶滅危惧種ですが、近年では放し飼いにしている猫やノラネコが森林内に入り野生化し、こうした野生生物を襲うケースが増えているようです。
猫を持ち込んだ立場の人間だからこそ、シビアに考えなければならない課題はたくさん。
例えば、島に元々生息している野生生物をおびやかさないように、飼い猫の適正飼養などにしっかり取り組むこともそのひとつですね。
aumo編集部
次に遭遇したのは、同じく絶滅危惧種であり、「日本で一番美しいカエル」とも称賛される”アマミイシカワガエル”
緑の体に黄金のまだら模様と、鳥の囀りのような澄んだ鳴き声が特徴です。

私たちが目撃したこの日は、岩肌にジィーーっと張り付いて微動だにしませんでしたが、繁殖時期となる11月中旬頃からはその美しい鳴き声が聴こえるそう。
この夜は、上記にご紹介したほか、アマミハナサキガエルとも遭遇しました。

耳を澄ませば、すぐそこに生きものの息遣いが感じられる夜の森。
高揚と畏怖が入り混じるこの胸の働きは、おそらくここでしか体験できないものである、かもしれません。
※動物などの観察に不慣れな方は、エコツアーガイドの同行を推奨します。奄美大島の生物多様性を守るためにも、マナーの厳守をお願いいたします。

終生忘れえぬ感動を。いざ、命の躍動する世界遺産・奄美大島へ

アルマダス
羽田空港から約2時間半のフライトを経て、初めて降り立った奄美大島。
最初は”奄美ブルー”の海にひたすら感動するのみでしたが、その後3日にわたって島々を取材するうち、次第に「そういうことではないのだ」と感じるようになりました

都会に暮らす私たちは普段、自然をどこか「レジャー」という言葉で切り取って考えます。
例えば”週末は山登り、夏には海水浴、冬はスキー”という風に。
ときには、自然は私たちをいつでも出迎え、楽しませてくれる存在であるかのような錯覚さえ覚えます。
アルダマス
けれど、きっとそうではないのです。
奄美大島の地を歩き、実際に感じたこと。
それは、人の狭小なフレームには到底入りきることのない、圧倒的な大自然の存在でした。
理解しようともしきれないサイズで、何をするでもなく、ただそこに在り続けているのです。
そこには人間の都合など、介入しようもありません。

気づけば、理解を超えた自然を前に、私の生への認識は「生きている」という主体的なものから「生かされている」という客体的なものへと変化を遂げていました。

この時、奄美大島は世界遺産の定義通りであることを、身を持って知ったのです。
”人類共通の遺産であり、かけがえのない宝物”であることを。

さあ、命の躍動する奄美大島へ。
終生忘れられない冒険へと、出かけてみませんか。

aumo編集部

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※掲載されている情報は、2021年11月時点の情報です。プラン内容や価格など、情報が変更される可能性がありますので、必ず事前にお調べください。

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更新日:2024年4月26日

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