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2026/7/26 (日)
Epilogue : Birdwatching in Amami, Okinawa & Ishigaki
『琉球語「シマクトゥバ」に寄せる鳥の声』
かつて九州から南下した先祖たちの言葉を土台とし、琉球の海と風のなかで育まれた「シマクトゥバ」。
その起源は千数百年前、奈良時代以前にまで遡(さかのぼ)るといわれる。
深く碧(あお)い空と海、そして生命の息吹に満ちた緑の森。その境界線を生きる鳥たちの姿は、変わりゆく言葉の運命を映し出す鏡のようでもある。
やんばるの鬱蒼(うっそう)とした森を駆けるヤンバルクイナ。
かつて地元の言葉で「アガチー(慌て者)」と呼ばれたその飛べない鳥は、自らの名を呼ぶ人々の声が「標準語」へ、そして「ウチナーヤマトグチ」へと移り変わる様を、その赤い目で静かに見つめ続けてきた。
秋の風に乗って島々を渡るサシバの群れ。
彼らは人間の都合で引かれた境界線や基地のフェンスを軽々と飛び越え、ただ生きるための声を空に響かせている。
シマクトゥバが形を変え、「ウチナーヤマトグチ」という新たな器を得て生き続けるように、鳥たちもまた、変わりゆく環境のなかで歌声を響かせ、明日の光を探している。
言葉を奪われ、引き裂かれそうになった歴史の夜を越えて、なおも紡がれる言葉は、困難な時代を生き抜いてきた鳥たちの羽ばたきと重なる。
私たちは、その羽音に耳を澄まさなければならない。
彼らの歌声は、過去の苦悩を伝える悲鳴ではなく、未来へと向けられた対話への「祈り」なのだから。
言葉が命そのものであるならば、琉球の空を舞う鳥の姿は、その命が今もなお力強く拍動している証にほかならない。
互いの言葉を理解し、背景にある痛みを分かち合うとき、私たちは初めて、対立の歴史を超えた「真の調和の空」を見上げることができる。
途切れることのない調べとともに、この地が育んできた無数の言葉と命に深い敬意を表し、ここに『琉球語「シマクトゥバ」に寄せる鳥の声』を巻末言として捧げ、琉球諸島探鳥記を閉じる。
ーーー Epilogue : Birdwatching in Amami, Okinawa & Ishigaki 完 ーーー










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