カチガラスさんが投稿した口コミ

 2026/6/27 (土)
 2026/5/10 撮影 : p-1〜2 開聞岳
 2026/5/10 著書 : p-3 (島尾敏雄作「 出発は遂に訪れず」)
 2026/5/22 撮影 : p-4〜9 サンコーチョウ「三光鳥」スズメ目 カササギヒタキ科 サンコーチョウ属
 於 : 奄美-新鹿児島航路・My birding spot
 p-10 : 奄美大島探鳥 (ライファー・リスト

 琉球諸島探鳥記の奄美大島編を終え、舞台は次なる沖縄本島、そして石垣島へと移ってゆく。
 その奄美の結びとして、サンコウチョウの水浴びの様子を届けてみたい。あの長い尾を引くサンコウチョウの水浴びは、実に見事なものだった。まるで水面を滑るように、優美な尾羽を水に潜らせるのである。

 奄美のメインで取り上げた野鳥はすべて初見(ライファー)の種だったが、ほかにもアカガシラサギやムラサキサギ、オウチュウ、コムクドリ、サシバ、アマサギ、タカブシギといった既撮影種たちも、私の旅情を鮮やかに彩ってくれた。

 奄美の美しい海に心洗われながらも、今回どうしても足を運ぶことができず、心残りに思っている地がある。
 太平洋戦争末期、南海に散った「海の特攻隊」の基地跡だ。
 ベニヤ板製の粗末な水上特攻艇「震洋」。それに乗り込み、敵艦への体当たりを敢行する極限の状況下で、第十八震洋隊を率いた指揮官こそが、のちの作家・島尾敏雄であった。
 加計呂麻島へ赴任した彼に下った、終戦間際の出撃命令。しかし、発進の時を待つなかで、運命は終戦へと舵を切る。
 この生と死の淵で繰り広げられた部下や島民との濃密な日々が、のちに戦争文学の傑作『出発は遂に訪れず』へと結実していくのである。
 帰路のフェリーから、青い海に浮かぶ開聞岳を望んだとき、その記憶が鮮烈に呼び覚まされた。
 かつて知覧や鹿屋を訪れて以来、私はこの美しい山を、大戦の記憶を伝える指標として心に刻んできた。
 航空機による特攻だけでなく、人間魚雷「回天」や水上艇「震洋」を含め、約6,000名もの若い命が失われた史実。
 そして、ソテツで飢えを凌いだ先達の苦難。
 二度とこのような惨禍を繰り返してはならない――。
 美しい開聞岳のシルエットは、今も南の海から私たちにそう語りかけている。

ーーー琉球諸島探鳥記 奄美大島編 完

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