カチガラスさんが投稿した口コミ

 2024/7/5 (金)
 サシバ (差羽、刺羽、鸇) タカ目 タカ科 サシバ属 夏鳥
 於 : 2024/7/2 福岡県 某地

 樹上のサシバ、虎視眈々と獲物を狙う
 渡りをするタカの中で、私たち人間社会に最も身近なサシバ。
 サシバは温帯~冷温帯地方で繁殖するために大規模な渡りを行います。

 代表的な”里やま”の指標種であるサシバ
 サシバの多くは”里やま”環境を好ます。
 特に谷津(やつ)や谷戸(やと)と呼ばれる谷間に営まれて来た水田や畑、果樹園などを好んで生息します。
 杉木立の大木にとまり、地面などに出現する小動物を探し、見つけたら襲いかかる行動を繰り返します。
 食物となるのは、ヘビ、トカゲなどの爬虫類、カエルなどの両生類、アメリカザリガニや大型昆虫、ムカデなどの節足動物、ネズミやモグラなどの小型哺乳類、そして小型鳥類などのあらゆる小動物たちです。
 つまり、食物が豊富で、とまり樹や営巣できる樹林に満ちた”里やま”環境は、繁殖地として絶好なものとなります。
 サシバの親鳥は 二、三十回/1日の給餌を1ケ月近く続け、雛が巣立つまで捕らえた小動物を与えます。
 サシバが繁殖できる”里やま”は、質(種数)、量(個体数)ともに満たされた生物多様性が極めて高い空間なのです。
 これが、サシバが”里やま”の指標種と言われる所以となっています。

 “里やま”の保全に、今、関心が集っています。
 “里やま”に何が起きていて、何が問題なのでしょうか? “里やま”では生物の多様性が失われ、景観も急速に変化しつつあることが危惧されています。
 国内で植物の絶滅危惧種が最も集中する地域は、“里やま”です(環境省2001)。
 このような“里やま”の変化は、燃料革命や農業の近代化により資源利用が消滅し、伐採などの撹乱が減少したためと考えられます。
 このことは、今後“里やま”を保全しようと思えば、人の関わりや利用を組み込んだ方策が必要であることを教えてくれます。

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