カチガラスさんが投稿した口コミ

 The Power of Dogu
 於、2022/10/18 茅野市 与助尾根遺跡

 いわゆる”縄文ブーム”と言われるものの萌芽は 2009年まで遡る。
 全国各地から選りすぐりの土偶が大量に海を渡り、大英博物館で開催された企画展 “ The Power of Dogu “でお披露目されたのだ。
 2カ月あまりの会期中に 7万人もの人々が足を運び、大盛況になったという。
 その凱旋帰国展 “ 大土偶展 “ が東京国立博物館で開催され、土偶で人が集まるのかという関係者の心配をよそに、およそ 13万人の来場者を集めた。
 更に、吉野ヶ里遺跡(佐賀県神埼市吉野ヶ里町)は全国から押し寄せる”吉野ヶ里フィーバー”の社会現象を引き起こし、続いて青森県の山内丸山遺跡が拍車をかけていった。
 年寄りはというと、佐賀市内の豪雨災害を防止する人工の溜池(巨勢川調整池)に出張って朝陽の撮影に興じていた頃、調整池造成時に発見された”東名(ひがしみょう)縄文遺跡”を見知ったのがそれであった。
 三内丸山遺跡は縄文時代前期〜中期 (紀元前約 3,900〜2,200年、現在から約 5,900〜4,200年前)に対して、東名縄文遺跡は今からおよそ 8,000年前の縄文時代早期の遺跡で、国内最古の湿地性貝塚である。
 吉野ヶ里遺跡は紀元前 5世紀から紀元後 3世紀までの弥生時代の遺構で、稲作文化が始まり定住文化が根付いた日本の文化の原点ともいえる。
 人々が農耕の開始以後、富の蓄積や分配をめぐり争いが始まったのもこの頃であり、吉野ヶ里遺跡には環濠を幾重にも掘り巡らし防備の遺構ともなっている。
縄文遺跡にそれら防備への備えを見出す事は無い。縄文文明は自然と共生し争う事なく平和で豊かな社会を一万年に渡って維持した文明である。

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