ひ。さんが投稿した口コミ

【神奈川・鎌倉文学館/literature】
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"青葉に包まれた迂路を登りつくしたところに、
別荘の大きな石組みの門があらわれる。"
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現侯爵はただちにそのあとへ和洋折衷の、
十二の客室のある邸を建て、
テラスから南へひらく庭全体を西洋風の庭園に改めた。
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『豊饒の海』4部作の中でも一番好きな「春の雪」
松枝家の別邸モデルとして描かれた旧前田侯爵家別邸。
原稿が飾ってあるからどうしても見に行きたくて
行ったんだけど本当に行ってよかったなと。。
(6月のまだ東京勤務だった頃)
この場所で、清顕と聡子の密会のため
本多が付き添うんだけどそのシーンで
聡子が本多に言う言葉があって
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"「……いつか時期がまゐります。それもそんな遠くはないいつか。そのとき、お約束してもよろしいけれど、わたしは未練を見せないつもりでをります。こんなに生きることの有難さを知つた以上、それをいつまでも貪るつもりはございません。どんな夢にもをはりがあり、(物事には)永遠のものは何もないのに、それを自分の權利と思ふのは愚かではございませんか。私はあの『新き女』などとはちがひます。……でも、もし永遠があるとすれば、それは今だけなのでございますわ……本多さんにもいつかそれがおわかりになるでせう」"
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(物事には)っていうところが原稿に
書いてあって消されてて
あー。そうか。って思ったり
本当にこの場所に来て良かったと
心から思わせてもらいました。
ありがとうございました。笑
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#豊饒の海
#鎌倉文学館

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5年前・118 views

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