渋川マリン水族館は、白砂青松の海岸線が約1キロにわたって繋がる渋川海岸の一画に建っています。入口広場には開館直後の昭和天皇・皇后両陛下の御行幸をご記念して建てられた灯台の模型が、「御幸灯台」という名称で残されています。
広場で来館者を最初に迎えてくれるのは、貝など干潟の潮だまりで暮らす生き物です。「ふれあいタイドプール」では、水辺の生物に触れることができます。隣接する「ウミガメ池」では大きな亀がのどかに泳いでおり、水族館の敷地に入るやいなや水の世界に引き込まれていきます。
「ふれあいタイドプール」の奥に水族館の本館が建っています。エントランスで訪れた人々を出迎えてくれるのは大水槽です。サメやらエイなど大型の魚が悠然と泳いでいます。ガラス超しではあっても目の前に巨体が迫ってくると迫力満点です。
真横の大水槽から視線を上げると、天井と平行にツチクジラの骨が吊るされています。胴体はなくてもクジラの胴の長さが感じとれ、海原も大きな体をくねらせて泳ぐクジラの姿が脳裏をかすめます。クジラの骨の下には、水族館のマップが掲示されているので、これを参考に見学プランを決めることができます。
エントランスから右に行くと約30の水槽が並ぶ展示室です。「瀬戸内海の海や冷たい海の生き物」と「暖かい海の生き物」の2つのエリアに分かれています。水槽の中では日本の各地の海や浜辺で生息する海洋生物、約180種2,000匹を飼育しています。
渋川は瀬戸内海に面しているため瀬戸内海で生きる魚の種類が充実しています。瀬戸内海に春を告げるイカナゴや,ままかりの名で
岡山の食卓に毎日のように現れるサッパなどの展示は、全国的にも珍しいと言えるでしょう。
エントランスの左には3つの展示室が設けられています。貝類の標本約1,000点をはじめとして、船舶の模型、魚類の剥製などが多数展示されています。貝類の標本の展示では希少な種も多く、標本数は多くはないものの見応え充分です。
エントランスの裏口を抜けて屋外に出ると、そこにはオットセイ池とアザラシ池があります。各々のプールでキタオットセイとゴマフアザラシが泳いでいます。時おり水面から愛嬌たっぷりの顔を出しながら泳ぐ姿を見ると微笑ましくなってきます。
正面玄関の横にはショップがあります。海の生き物をモチーフとしたユニークなグッズが並んでいます。館内に飲食のための施設はありませんが、隣接する渋川カブーロ浜茶屋や、ダイヤモンド瀬戸内マリンホテルのレストランでは、瀬戸内海を眺めながらランチやドリンクを楽しむことができます。
公共交通機関を利用して水族館に行くには、JR宇野線の宇野駅から路線バスで約30分の「渋川」で下車後徒歩約5分となります。車の場合は、瀬戸中央自動車道児島インターから国道430号を東進することになります。駐車場は水族館のすぐ前です。
渋川マリン水族館(市立玉野海洋博物館)は、「日本の渚百選」、「快水浴場百選」にも選ばれる渋川海岸に1953年に開館しました。開館直後には昭和天皇・皇后両陛下の御行幸で訪れました。それを記念して建てられた灯台の模型が、「御幸灯台」という名称で入口広場に残されています。海洋生物の展示室では、「瀬戸内海の海や冷たい海の生き物」と「暖かい海の生き物」の2つのエリアに分け、約180種2,000匹を飼育、展示しています。また、貝類の標本、船舶の模型、魚類の剥製などが多数展示される他、ウミガメ、オットセイ、アザラシの専用池も備え、様々な角度から海の生き物を観察することができます。
市立玉野海洋博物館(渋川マリン水族館)
岡山県玉野市渋川2-6-1
0863-81-8111
https://www.city.tamano.lg.jp/docs/2014022000793/